2021年10月7日夜に発生した千葉県を震源とする地震によって、首都圏の多くの交通機関が大幅な遅れや運休を余儀なくされた。そんな中、徒歩での帰宅を迫られた人々の間では、東京タワーが「帰宅難民の目印」になったと話題になった。
J-CASTニュースは8日、東京タワーの管理を行うTOKYOTOWER(東京都港区)に点灯理由を取材した。
「昨晩発生した地震による対応ではございません」
7日22時41分ごろ、千葉県北西部を震源とする地震が発生し、東京や埼玉で最大震度5強の揺れが観測された。この影響で、首都圏のJR山手線や在来各線が運転見合わせになるなど、交通機関に大きな影響が出た。
SNS上では、歩いて帰宅することになった際に東京タワーの灯かりが目印になったと話題になっている。ライトアップされた写真を投稿するユーザーもおり、中には1万件以上リツイートされたものもあった。
東京タワーは現在、日没から深夜24時までの間ライトアップを実施している。しかしSNS上の複数の投稿によれば、地震が起こった7日は日付変更後も点灯していたという。
東京タワーは2011年3月11日に東日本大震災が発生した際に、徒歩で帰宅する事になった人々に向けて終夜点灯を実施していたことがあり、ツイッターでは当時を思い出す声もあった。
一方、東京タワーの管理を行うTOKYOTOWER(東京都港区)の広報担当者は8日、取材に対し、今回の点灯については「昨晩発生した地震による対応ではございません」と述べる。
「昨晩は工事のために試験点灯をいたしておりました。
2011年3月11日夜のランドマークライトの臨時点灯につきましては、東日本大震災の帰宅困難者のために特別に点灯した事は事実でございますが、今回につきましては工事による点灯として実施したものでございます」
保安上の観点から、行っていた工事の内容や点灯時間については明かせないとのことだった。
「試験点灯」という偶然だったとはいえ、SNS上では地震当日に見た東京タワーの光に癒された人も多いようで、「さすが東京のシンボルはいつでも味方してくれる」「あたたかい光ですね」といった声が寄せられている。