大震災時には未普及だったシェアサイクル
一夜明けた8日朝も、シェアサイクルが力を発揮した。地震の影響を受け、鉄道路線ではダイヤの遅れや駅への入場規制が発生。「いつも通りの通勤」が難しい中、今度は住宅地から都心へと自転車を走らせる動きがみられた。
OpenStreetの担当者によると、8日朝は通常と比較して約1.5倍の利用があったという。また、7日夜には「空っぽ」だったドコモ・バイクシェアの都心部のポートは、8日10時30分頃には多くのポートで貸し出し可能に。担当者によると、自転車の偏りをなくす再配置や、元からの通勤需要の影響もあったというが、電車の代替手段として使われた可能性もあるとした。
東京都内で震度5強の地震を観測したのは、11年3月11日の東日本大震災以来のこと。当時も公共交通網が寸断され、帰宅困難者が続出した。その1か月後、11年4月から横浜市で実証実験を開始したのがドコモだった。12年から東京都区部でも導入され、15年からは現在のドコモバイクシェアが運営。21年現在では都内の至る所で赤い自転車を目にするまでになった。
ドコモ・バイクシェアの担当者によると、災害時には道路状況の悪化などが懸念されることから、今回のような緊急利用は想定していなかったという。利用者には「状況を見ながら使っていただきたい」とした。
なお、ドコモ・バイクシェアでは今回の地震発生後に都内などで自転車を利用したユーザーに向けて、利用料金の減免措置をおこなっている。
(J-CASTニュース記者 佐藤庄之介)