マキノ出版(東京都中央区)の商品情報誌「特選街」が、2021年11月号(21年10月1日発売)をもって休刊した。
43年の歴史を持つ情報誌の終わりに、ツイッター上では「ショック大きい」「ビックリ」などと惜しむ声が見受けられた。
編集部の担当者「コロナ禍での売り上げ部数の低迷が大きかった」
特選街は1979年に創刊。主に男性をターゲットに、当初は国内外の名品紹介やビデオ機器、テレビ、カメラといったオーディオビジュアル商品の解説情報を多く掲載していた。その後はPC関連の特集が増え、近年ではスマートフォンやアプリの使い方といった内容が目立っていた。
21年10月号(9月発売)で休刊が告知され、今月発売の11月号をもって休刊した。最後の特集は「これがスマホの正しい使い方」。表紙には「休刊号!43年間のご愛読ありがとうございました!」の文字が綴られている。
誌内に掲載された「休刊のごあいさつ」で、吉田正之編集長は次のような思いを伝えている。
「今や情報は、さまざまなメディアを通じて、素早く集めることができます。しかし、『特選街』は、スピードで勝負をする雑誌ではありません。速報性ではなく、商品の魅力をいかに丁寧に、幅広く、そして深く伝えられるか。これが創刊以来のポリシーなのだと私は思っています」
創刊はDIME(小学館、1986年創刊)、日経トレンディ(日経BP、1987年創刊)といった情報誌よりも早く、同社は「商品情報誌の先がけ」(特選街11月号「休刊のごあいさつ」より)だったとしている。特選街編集部の担当者は10月6日、J-CASTニュースの取材に対し、休刊の背景について「コロナ禍での売り上げ部数の低迷が大きかった」と個人的な見解として話した。
休刊を受け、ツイッター上では「ショック大きい」「ビックリ」「こんなに消費者目線で多角的に商品を分析している書籍はないと思います」などの声が聞かれた。
今後は特選街のムック本やウェブサイト「特選街web」で情報発信する。