記者の話にメモ取る姿も...岸田首相初会見、質問と回答かみ合った? 菅前首相の「反省」生かせるか

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記者会見の時間、質問できる記者数は大きく変化せず

   記者会見のスタイル自体は大きくは変わっていない。両者とも記者会見の時間は冒頭発言と質疑応答を合わせて約1時間。冒頭発言ではプロンプターを利用した。

   質問できた人数は菅氏の9月28日の会見が13人、岸田氏の10月4日の会見が15人だった。内訳は、菅氏の会見が在京テレビ局4人、全国紙・通信社3人、地方紙・ブロック紙1人、外国プレス1人、英字紙1人、ラジオ1人、フリーランス2人だったのに対して、岸田氏は在京テレビ局2人、全国紙・通信社6人、地方紙・ブロック紙3人、スポーツ紙1人、ネットメディア1人、ラジオ1人、フリーランス1人。岸田氏の会見の方が新聞社・通信社の割合が増えているが、引き続きネットメディアやフリーランスが質問する機会もあった。

   岸田氏は総裁選期間中、菅前内閣が失速した背景を(1)納得感のある説明の欠如(2)危機管理に関する楽観的な見通し、の2つにあると分析。10月4日の記者会見でも、「納得感」という単語を4回にわたって口にした。

   約15分にわたる冒頭発言が終わって質疑応答に移ると、上着の内ポケットからペンを取り出し、時折メモを取りながら質問を聞いた。菅氏の会見とは違い、質問と答えがかみ合う場面もあった。

   例えば個人向けの現金給付に対する考え方については、

「今コロナ禍において大変苦しんでおられる弱い立場の方々、女性や非正規あるいは学生の皆さんといった、こういった弱い立場の方々に個別に現金給付を行うこと、これは考えていきたい」

と前向きな考えを示した。具体的な金額については

「与党でも具体的な案をしっかりと検討した上で確定していきたい」

とした。

   岸田氏は総裁選期間中に、医療の専門家だけではなく、物流、観光、教育など、各界の専門家が議論する有識者会議を設ける考えを明らかにしている。そこで浮上するのが、現行の新型コロナウイルス感染症対策分科会を解散して別のメンバーで改組する可能性だ。この点について、岸田氏は

「人流、外食、様々なこの分野において、新しい日常を考える際に、専門家の皆さんの知識を頂く。こういった有識者会議を別途作っていく必要があるのではないか。こういったことを総裁選挙の最中から申し上げた」

として、現行の分科会の解散については明確に否定した。

「今の分科会を改組するとか、閉鎖するとか、そういったことは一度も申し上げたことはない」
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