「食べ物には規格外が必ずある」
曽我さんによれば、「出べそ」は夏に栽培する作型でよく出る生理障害で、夏の高温などが原因でできてしまう。症状がひどいものは果実の中に芯が残ることもあるが、味については通常のものと全く変わらないという。
しかしこうしたトマトは、誤解を受けてしまうこともあった。2011年3月11日に発生した東日本大震災の後、「放射能の影響ではないか」といった声が広がったのだ。曽我さんは、「そういうデマが広まらないように、食べ物には規格外が必ずあるということを知っていただけたら」と訴えた。
曽我農園では、このようなB品、規格外品、形の面白いトマトを大切にするという方針をとっている。以前にも、品質には問題がないのだが、一部が黒く変色してしまう「尻腐れ」という生理障害のトマトを、「闇落ちトマト」と名付け、大きな注目を集めた。
曽我さんは、「既存の流通インフラや量販店の存在に感謝しつつ、個性的な形を楽しむ余裕があると良いですね」と述べる。
「トマトに限らず野菜の規格外品というのは一定数出てしまうものです。一般流通や量販店はとても便利ですが、消費者の方は個性的な形の野菜を見る機会が少なくなったとも言えます。単純にこういう野菜があることも知っていただき楽しんで貰えれば嬉しいです」
(J-CASTニュース編集部 瀧川響子)
見た目エグいですが緑の部分を切り落とせば問題なく食べられます。私の一推し。 pic.twitter.com/Iv62WBHXUx
— フルーツトマトの曽我農園 (@pasmal0220) October 2, 2021