1本のヒットが近くて遠い。
阪神のルーキー佐藤輝明が2021年9月29日の広島戦(甲子園)で、五回無死三塁の好機に代打で出場したが浅い左飛に倒れ、野手ではプロ野球ワースト記録となる54打席連続無安打。10月1日の中日戦でも凡退し、無安打記録は55に伸びた。
「パワーは村上以上」対戦投手も驚き
「スタメンで結果が出ていないのに代打で結果を求めるのは厳しいですよ。矢野監督からすれば内野安打でも良いから1本出ればガラリと変わると期待して、代打に送ったかもしれませんが...。
4打席立てるスタメンの選手と違い、1打席勝負の代打は初球から振りにいかないといけない。空振りが多くボール球に手を振ってしまう佐藤は代打での経験がないので投手も精神的に優位に立てる。スタメンで使わない日はベンチから外すのも一つの策だと思います」(スポーツ紙デスク)
前半戦、阪神が首位快走した原動力になったことは間違いない。5月28日の西武戦(メットライフドーム)では同点の9回に右中間最深部へ勝ち越しの13号決勝3ランを放つなど1試合3本塁打。セ・リーグの新人では1958年の長嶋茂雄(巨人)以来63年ぶりの快挙だった。
広い甲子園を本拠地に新人左打者最多の23本塁打をマークし、75年ぶりに記録を更新。対戦したセ・リーグのある投手は「詰まってもスタンドを軽々と超える。パワーはヤクルトの村上(宗隆)以上ですよ」と舌を巻く。