「3Aが今や人事を行っていますよ」 岸田新総裁の「甘利幹事長」抜擢は安倍・麻生両氏の思惑通りか

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   自民党の岸田文雄新総裁を支える党役員人事が決まり、特に、甘利明税制調査会長(72)が幹事長に抜てきされたことが注目されている。

   甘利氏は、5年前の金銭授受問題でフェードアウト状態だったが、異例の復活を遂げたからだ。早くも野党は甘利氏の国会招致を求める動きを見せている。なぜ岸田新総裁は、このような人事を行ったのだろうか。

  • 甘利明氏(2020年10月撮影、写真:つのだよしお/アフロ)
    甘利明氏(2020年10月撮影、写真:つのだよしお/アフロ)
  • 甘利明氏(2020年10月撮影、写真:つのだよしお/アフロ)

「適材適所で選んだ」と、3Aの意向をくんだことを否定したが...

   2021年9月29日投開票の総裁選で岸田氏が選出されると、人事で早くから名前が挙がったのが甘利氏だ。

   甘利氏は、麻生派にもかかわらず、同派の河野太郎行革担当相ではなく、岸田氏への支持を先んじて明確にした。総裁選では、岸田氏の選対本部顧問として党内に働きかけ、勝利に大きく貢献している。

   それだけに、甘利氏の処遇がよいことは予想されていたが、幹事長への起用については、ネット上で驚きの声が出た。様々な意見が出ており、金銭問題の説明責任を果たしていないといった批判の声が多い。甘利氏をめぐっては、建設会社側から金銭を受け取っていた問題が16年に発覚し、経済再生担当相を当時辞任している。一方で、ある程度の実力者でなければ各派閥ににらみをきかせる幹事長は務まらないとの指摘もあった。

   もっとも、甘利氏自身は、不起訴となった後に独自の調査結果を発表し、10月1日の就任会見でも「寝耳に水だった」などと釈明した。

   党人事では、副総裁に麻生太郎副総理兼財務相(81)を選んだほか、安倍晋三元首相が総裁選で支持した高市早苗前総務相(60)を政調会長に登用するなど、安倍・麻生・甘利の頭文字を取った「3A」の意向に沿うような内容になった。一方、岸田氏は、中堅・若手の起用を明言しており、総務会長に当選3回の福田達夫衆院議員(54)を抜てきするなど、岸田カラーも出している。

   岸田氏本人は10月1日、党役員を決めた後の会見で、「適材適所で選んだ」として、3Aの意向をくんだことを否定した。ただ、二階俊博幹事長を外す考えを示して人事に期待する声もあった中で、古い体質を刷新できなかったと失望する声もニュースサイトのコメント欄などで続々と書き込まれている。

   金銭問題がくすぶる中で、岸田氏が甘利氏を登用した理由について、政治評論家の有馬晴海さんは1日、J-CASTニュースの取材にこんな見方を示した。

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