カドカワ子会社の「ドワンゴ」(東京都中央区)は2021年10月1日、動画配信サイト「ニコニコ動画(ニコ動)」で新型コロナウイルスをめぐる誤情報対策を講じたと発表した。
同サイトは、競合のユーチューブと比べて対応の遅さが指摘されていた。
「規制は最小限にとどめつつ...」
発表によれば、新型コロナに関する検索結果と動画視聴ページに、専用ページに誘導するリンクを設置する。10月1日に始めた。
ページには次のような記載があり、首相官邸や厚生労働省のウェブサイトで最新情報を確認するよう呼びかけている。
「新型コロナウイルス感染症の流行にともない、インターネット上を含む様々な場面で新型コロナウイルス感染症に関連する情報に触れることが多くなりました。ニコニコにおいても動画や生放送にて、様々な情報が発信されており、その一部には真偽が不明なものや不正確なものもあるようです」
ニコ動をめぐっては、コロナやワクチンについて誤った情報を含む動画への対応が遅れていると、利用者から批判が出ていた。ユーチューブからポリシー違反で削除された動画の転載も少なくなかった(詳報:「『反ワクチン』言説、ニコニコ動画で拡散 対策遅れ『規制回避地』として人気に/J-CASTニュース)。
ドワンゴは発表で「ニコニコは、自由にコンテンツを発表し、そのコンテンツを見た人が思い思いのコメントを付けることができるサービスです。表現する人の人種、性別、年齢、所属する組織、過去の経歴などは一切問わず、誰もが平等に自分の思いや作品を発表できる場所です」とサービスの理念を説明し、
「ユーザーのみなさまによる表現の内容に対して、ニコニコによる規制は最小限にとどめつつ、明確な法律違反や司法機関等からの要請があった場合には速やかに対応を行うことを徹底したいと考えています。そうすることによって多くの素晴らしい作品が誕生し、特定のテーマに対する議論が深まり、ネットならではの文化が一層発展していくことを願っています」
と運営方針を伝えた。
一方で、新型コロナのような命に関わる情報は「まずは政府関連機関の公式情報をご参考にしていただけますと幸いです」と理解を求め、「ニコニコは、これからもクリエイターのみなさまの表現活動を尊重し、そしてすべてのユーザーのみなさまの拠り所となり続けるよう努力してまいります」とした。
(J-CASTニュース編集部 谷本陵)