東京・狛江市が「若年層ワクチン接種促進」のため公開した特設サイトのデザインが、ネット上で「訴求力ある」などと称賛を集めている。
「わかりやすくて想いも伝わる」
狛江市が運営する特設サイトは、12~39歳までの若年層ワクチン接種促進を目指す「SAVE KOMAE PROJECT」の展開のひとつ。ツイッター上で2021年9月29日ごろから同サイトのデザインやプロジェクト内容が注目を集めていた。
サイトではワクチン接種率「75%」を目標に掲げ、現在の接種率や目標達成までの人数を視認性の高いレイアウトで公表しているほか、「よくある質問」としてワクチンの効果や安全性、副反応などを説明している。
さらにサイトでは市内に掲出中の「狛江市の名物店主」らを映したポスター(全7種)も見ることができる。ポスターにはそれぞれキャッチコピーがつづられ、
「心置きなく、おいしいビールが飲める世の中になりますように」
などと、ワクチン接種を明るく訴求するようなメッセージを伝えている。狛江市の特設サイトにツイッターでは、
「デザインセンスが神がかってる」
「わかりやすくて想いも伝わるいいお仕事」
「シンプルだけどすごい訴求力ある」
などといった声が寄せられている。
「会場は居酒屋ではなく『サテライトオフィス』」
30日、J-CASTニュースの取材に応じた狛江市・新型コロナ予防接種室の担当者は、ネット上の反応を受け、「狙ったターゲットに響くことが目的だったので、大変喜ばしく思います」と話す。
今月17日に発表された本プロジェクトは「対象者の気持ちになって、何を求めているか?等の把握をすること」に注力していると担当者は伝えた。
市内に「予約不要」の接種会場を設けて接種のハードルを下げ、特設サイトで具体的な目標数値を公開することなどでワクチン接種の「見える化」を進めてきた。また店主ポスターは「狛江市民の"まちへの帰属意識"の高さ」に訴えて「じぶんごと」にしてもらう意図があるという。
プロジェクト実施による若年層ワクチン接種率の推移は、「実施直後なので、比較はできません」としながら、「できる限りこのプロジェクトに御参加いただけるよう周知していきます」と意気込む。
なお27日のサイト更新では予約不要の接種会場を2箇所増設すると発表があった。新たな実施場所のうち「SAKE-YA喜多見」について、ネット上では店名から「居酒屋」が会場とされたかのように受け取る声が上がっている。これに担当者は「少し間違えた表現が先行している」と注意喚起し、
「会場は居酒屋ではなく、そこに併設された『サテライトオフィス』となります」
と訴える。同店は狛江市と小田急SCディベロップメント(東京都新宿区)の協業施策・第2弾として「『職×食×住』近接の新しいワーク&ライフスタイル」を提案する形でオープン。「醸造所付きレストラン」「酒屋」「オフィス」の複合業態を持つ。
実施場所に至るまでには飲食店部を通過することになるが、あくまで接種はオフィス部分の「サテライトオフィス狛江City」で行われるとする。
「接種を迷っていたらぜひ様子みに来てください。相談だけでもいいです」