ユーチューブの具体的な取り組み
ユーチューブは昨年5月、新型コロナの誤情報に関するポリシーを導入した。地域の公衆衛生当局や世界保健機関(WHO)と矛盾する見解などを含む動画を制限し、違反時の措置も明示した。その後、対象をワクチンにも広げた。
今年8月には、2月以降に100万件以上の関連動画を削除したと発表した。最高製品責任者のニール・モーハン氏は、
「『ユーチューブは経済的な利益のために際どいコンテンツを残している』と批判されることもありますが、そうしたコンテンツはあまり見られておらず、音楽やお笑いなどといった人気のコンテンツの視聴回数には全く及びません」
と釈明し、そうした動画は利用者や広告主からの信頼を損なうため、「対策に多大な時間と費用を費やしてきた」とする。
一方で、
「過度な削除へのアプローチは、言論の自由を萎縮させます。削除は鈍器であり、多用することで『物議を醸す主張は受け入れない』というメッセージを送ることになりかねません」
と対応には慎重さが求められるとし、「今後も『言論の自由』と『意見が届く範囲を指定できる自由』のバランスを取るために、製品への投資と革新を続けていきます」とプラットフォーマーとしての社会的責任を果たすとした。
(J-CASTニュース編集部 谷本陵)