自民・岸田新総裁の誕生、海外メディアどう見た? 韓国は日韓関係の回復「容易ではない」と報道

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外相時代の実績は衆院選でも「国民に対して前向きなメッセージに」

   シンガポールを拠点にするニュース専門局のチャンネル・ニュース・アジアも結果を速報。15時30分過ぎに、日本人の東京特派員が解説した。岸田氏は公約で、自民党の役員任期を「1期1年で連続3期までにする」ことを掲げ、二階俊博幹事長の不興を買ったという経緯がある。そのため、岸田氏にとって喫緊の課題として党内融和を挙げた。さらに、「一般国民の知名度が低いが、どのように総選挙を乗り切るのか」というキャスターの質問には、岸田氏が連続期間としては戦後最も長い4年8か月にわたって外相を務め、米国のオバマ元大統領の広島訪問を実現したことを挙げ、「国民に対して前向きなメッセージになるだろう」と指摘した。ただ、菅氏が新型コロナ対策で国民とのコミュニケーションに失敗したことから、岸田氏についても「新型コロナにどう対応するかは見守る必要がある」とした。

   オバマ氏の広島訪問に並ぶ岸田氏の外相時代の功績のひとつが、慰安婦問題を「最終的かつ不可逆的に解決」することをうたった15年12月の日韓合意だ。岸田氏は総裁選期間中も、合意の履行を韓国側に繰り返し求めており、韓国メディアはこの点に注目している。例えばハンギョレ新聞は、「ボールは韓国側にある」という岸田氏の発言を紹介し、

「韓日関係は当分の間、回復のきっかけをつかむのが容易ではないと思われる」

と悲観的な見通しを報じた。

   中国共産党系の環球時報がウェブサイトに掲載した記事では、岸田氏が総裁選期間中に

「中国が『権威主義』に陥っているとの懸念が高まっているとして中国を攻撃」

したと報じている。ただ、次のような専門家の声も紹介しており、日中関係の改善にも期待を寄せている。

「「日本は中国との関係において『安定への道』を見つけるべき」(黒龍江省社会科学院北東アジア研究所の笪志剛所長)
「中国は日米同盟に反対したことはなく、日本は率先して、日米同盟の枠組みの中で日中関係を改善する機会を模索すべきだ」(外交学院国際関係研究所・周永勝教授)

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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