ドン・キホーテはなぜ「しくじった」のか
広報室によれば、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、需要や売り上げには非常に大きな変化があったという。外出自粛やテレワークの拡大によって都心駅前店などでの売り上げは減少。さらにコロナ禍前まで売上を牽引していたインバウンド分野は苦戦を強いられた。
ドン・キホーテは、こうしたコロナ禍への対応の遅れを猛省している。
「コロナ禍でお客さまの需要が変わってくる中、自分で仕入れをした商品に対し、過去の成功体験から『ニーズのある商品だから売れるはず!』という思い込みで、見切り(処分)が遅くなってしまい、それが大量の売れ残りを作ってしまいました。
早期に切替えを行えなかった変化対応への遅れに対し『猛省』をしています」
ドン・キホーテでは、店舗の担当者が自由に仕入れから売価設定まで行うことが出来る「権限委譲」という運営スタイルをとっている。仕入れにしくじり商品在庫が増えてしまった店舗では、新しい商品の仕入れができない。「このままでは客のニーズに応えられない」として、早急に課題を解消するため、しくじり市の開催を決意した。
「状況に困窮した店舗からも、『利益減を伴う在庫を一掃する方法はないか』と要望が多々ありましたので、仕入れ失敗への対応遅れを猛省し、お客さまに対して素直に状況を説明したうえで、『しくじり市』という場にて特価品としてお客さまに喜んでいただこうと、実施することとなりました」
ただしPPIHグループとしては2021年6月期の売上、営業利益、当期純利益において過去最高を更新している。郊外店では、食品や酒カテゴリーの売り上げが大きく伸びているそうだ。