鉄道趣味のイメージは変わるのか?
鉄道会社からすると確実に収益を得られることはもちろん、参加者のターゲットを絞ることにより、無用なトラブルに対応する手間が省けるというメリットもあるのだろう。コロナ禍の影響もあって、1度の参加人数を絞るという意味合いもあるはずだ。
筆者も5000円以上する鉄道イベントに参加したことがある。担当者に聞くと、決して安い価格設定ではなかったものの、すぐに定員に達したという。全体的に落ち着いたイベントであり、駅構内や沿線で繰り広げられているトラブルとは無縁であった。
確かに、トラブルもなく落ち着いた雰囲気で鉄道趣味が楽しめることは、鉄道ファンにとっても悪くはない話だ。一方、鉄道イベントの高額化に伴い「鉄道趣味=気軽に楽しめる趣味」という構図が崩れるのでは、という心配も持つ。
コロナ禍により経済格差の拡大が話題となっているが、今後は親の所得により、鉄道の魅力に触れられる子どもと触れられない子どもに分かれるかもしれない。
筆者は小学生や中学生の時、小銭を握りしめて、鉄道会社が開催する無料のイベントに参加して鉄道の魅力に触れたものだ。せめて、子ども向けのイベントは無料もしくは割安なイベントは残してほしいというのが筆者の希望だ。
(フリーライター 新田浩之)