「MACHIDA IN THE TOKYO」(町田は東京にあります)
こんなメッセージとともに、東京都町田市の形をデザインしたトートバッグがツイッター上で話題を呼んだ。町田市は神奈川県との境に立地。「町田は神奈川」と誤解されることも多く、ネット上では「ネタ」として定着してきた。
なぜ、このトートバッグを作ろうと思ったのか。製作者に話を聞いた。
「町田は東京や!」 「町田は神奈川、異論は認めん」
「町田は神奈川だと揶揄されることが多いので、『町田は東京だよ〜』ということを主張させてもらいました」
町田市のフリースクール「探求フリースクール マチラボ」の代表を務める広田悠大さん(26)は2021年9月22日、J-CASTニュースの取材にこう語る。
自身を「筋金入りの町田っ子」と表現する広田さんは、生まれも育ちも町田市。小・中・高・大、さらには前職も町田市だ。トートバッグは、マチラボに通う生徒とともに、探求学習プログラムの一環で作ったもの。20年12月から、地域のイベントなどで販売してきた。
バッグが注目を浴びたのは9月下旬。自民党総裁選(29日投開票)を前に、投票権を持つ自民党員である広田さんが、フリースクールで取材を受ける様子がテレビのニュースで流れた。その際、広田さんの後ろにあるホワイトボードにぶら下がっていたのが「MACHIDA IN THE TOKYO」のバッグだった。
バッグを目にしたツイッターユーザーから聞かれたのは、こんな声だった。
「なんだこの反神奈川主義グッズ!?!?!?!?」
「いいぞ!もっとやれ!町田は東京や!」
「町田は神奈川、異論は認めん」
「東京です。誰がなんと言おうと東京です」
過去にも「町田は東京」主張グッズが...
人口約43万人(21年9月1日現在、住民基本台帳に基づく)を数える町田市。小田急線とJR横浜線が交わる町田駅前には、大型商業施設や賑やかな繁華街が立地し、東京23区外でも屈指の発展度を誇る。
しかし、その「微妙な立地」が、ネット上ではたびたび話題になってきた。東京都の南西部、下に突き出たような形で位置するのが町田市。すぐ隣には神奈川県の自治体(相模原市、川崎市、横浜市、大和市)がある。JR町田駅南口を出ると、そこはすでに神奈川県だ。
こうした立地から、ネット上では「町田は神奈川」だとする「ネタ」が定着。
2年前の19年にも「MACHIDA IS TOKYO」(町田は東京)と書かれたTシャツが販売されたことがあった。20年には「飛び地」解消のため、相模原市だった場所が町田市に編入された、というニュースも話題を呼んだ。
19年に販売された「MACHIDA IS TOKYO」Tシャツ
町田に長く住む広田さんも、かつて友人から「町田は神奈川でしょ?」と言われたことがあった。広田さんは、こう返したという。
「赤羽だって埼玉みたいなものじゃん」
友人は埼玉県と接する赤羽(東京・北区)に住んでいた。「『たしかに』とお互い笑い合いました」(広田さん)
では、町田が「ネタ」の対象になることを、広田さんはどう思っているのだろうか。
「『町田は神奈川でしょ』っていじれるのは、町田の人がほんとの意味で怒ったりしないと信じているからこそ、成り立つのだと思います。つまり、皆さん町田に住んでいる人がいい人だと思えているからこそ、生まれる掛け合いなのかなって思います」
「ネタ的なところが許されるのも町田の懐の深さゆえだと思うので、たくさん盛り上げてもらいたいです」
バッグは1つ2000円(税込)。フリマアプリ「メルカリ」で購入可能だ。
(J-CASTニュース記者 佐藤庄之介)