中国メディア、高市早苗氏の台湾接近に警戒感? 会談した蔡英文総統に「賭け」指摘の背景とは

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「蔡英文氏の動きが『賭け』ではないかと疑問の声が上がった」

   高市氏をめぐっては、中国共産党系の環球時報が9月6日付けの記事で、仮に首相に就任したとしても靖国神社参拝を続ける意向を表明したことについて、「政治狂人!」の見出しで非難。記事では

「これまでも、『中国脅威論』を振りかざして、中国に対する中傷を何度も行ってきた」

などと論評した。政治理念が近い安倍晋三前首相から支持されているとして、

「高市氏が当選する可能性が高いとの見方もある」

とも伝えている。

   ただ、環球時報は今回のオンライン会談については、直接の論評を避けている。見出しは、「台湾ネットユーザー:教訓が生かされていない!」。会談に対する台湾のネットユーザーの声として、

「蔡英文氏の動きが『賭け』ではないかと疑問の声が上がった。 また、蔡英文氏に『バイデン氏の当選に懲りていないのか』と念を押すネットユーザーもいる」

などと伝えている。環球時報の記事によると、トランプ前大統領の任期中は、台湾当局は「米国の大陸弾圧に協力しようとしていた」ことに加えて、大統領選では民進党の議員や支持者のみならず、「ネット応援団」まで圧倒的にトランプ氏を支持してバイデン氏を蔑視し、「『台湾は世界で最もトランプ氏に優しい地域』だと騒がれた」。

   確かに、米中対立の激化にともなって、台湾はトランプ政権との距離を縮めてきた。それだけにバイデン氏の当選は台湾の世論に衝撃を与えた。つまり、現時点での高市氏との接近は台湾にとって「賭け」なのではないか、という見立てだ。中国メディアが、こういった台湾のネットの声を切り取って報じることで、中国に対して厳しい態度を取る高市氏に対する警戒感を反映しているとも言えそうだ。

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