名古屋を中心に、東海地方のみたらし団子は全国とちょっと違う――そんな食文化が2021年9月9日放送の「秘密のケンミンSHOW極」(日本テレビ系)で取り上げられた。
みたらし団子といえば、米と砂糖で練った団子玉を串刺しにして、砂糖醤油を使った甘いタレが全国区。だが、愛知県を中心にした東海地方では焦げ付きの団子が根強く支持されているというのだ。
「焦げてるのが当たり前だと思ってた」
「秘密のケンミンSHOW極」では、「名古屋のみたらし団子は焦げ焦げ」というトピックで地元民の様子を取材、県内各地の団子店が取り上げられて製法・味付けの違いが放送された。
番組によれば、愛知県一帯で食べられているみたらし団子は、コンビニなどで流通するみたらし団子と比べると玉が小さく、5玉を串刺しにする。砂糖を使わずにたまり醤油を使ったタレを使い、焦がせて焼くためにあっさりとした口当たりで、タレの粘り気があまりない。全国で一般的なみたらし団子に比べると甘味を抑えてあり、焦げた醤油の味がアクセントになっている。
スタジオでVTR映像を見ていた愛知県出身のマヂカルラブリー・村上さんは「あのスタイルしか知らない」と驚く。東海流のみたらし団子に慣れている視聴者からもツイッターで、
「焦げてるのが当たり前だと思っていたら東海圏の文化だったのか」といった感想が出ていた。
「関東で頂くみたらし団子は何か物足りないと思っていたらどうやら焦げがなかったかららしい」
飛騨と美濃でも微妙に味付けが違う?
ただし、砂糖仕立てのみたらし団子も、愛知県内で一定のシェアを確保しているようだ。
岐阜県羽島市から岐阜・愛知県に団子を出荷しているメーカー「羽島ダンゴ」は10日の取材に、団子は1本5玉ではあるが、タレは甘辛く粘度のあるものを使っていると答える。全国で普及しているタレに近いが、
「一概にどちらのシェアが大きいといえるものではありませんが、美濃地方や愛知県西部でも醤油仕立てでないみたらし団子も流通しています」
と取材に応じた担当者は話した。また岐阜県内でも飛騨地方では、前出のようなたまり醤油ベースのタレを使った団子が主流ではないかとも答えている。
確かに飛騨地方でもこのしょうゆ味の団子が食べられており、当地では「みだらし団子」とも呼ばれている(中日新聞WEB版2021年5月24日配信)。愛知・岐阜の2県に限っても、味付けの好みには細かな地域差もあるようだ。