「犯人隠避教唆の罪などもありうるが、格段に重くなるわけではない」
「容疑者が同乗者に対し、自分に有利な供述をするよう働きかけたとしたら、犯人隠避教唆の罪も成立する可能性があります。処罰されないように画策してほしいとして、同乗者と口裏合わせをするケースです。この罪は、3年以下の懲役または30万円以下の罰金ですので、懲役は最大で7年6月、罰金は130万円に伸びます。ただ、格段に重くなるわけではありませんね」
プレジャーボートについての福島県の条例では、救護義務に違反したときは、3月以下の懲役または30万円以下の罰金に処せられる。この条例についても、若狭弁護者は、「適用できますが、軽いので、懲役の年数は変わらないでしょう。罰金は、160万円まで可能になります」とする。
兵庫県明石市では8月、海水浴場に出没した水上バイクについて、殺人未遂などの罪で告発していたが、「死んでもいいなどと乱暴な操縦をしていたのなら可能ですが、殺人での立証はなかなか難しいでしょう」と否定的だ。
執行猶予が付くかどうかについては、若狭弁護士は、こう話す。
「賠償金の支払いなどで示談できれば、付くでしょう。親への慰謝料などもあり、賠償金は5000万円は下らないと思います。示談が成立しなくても、事実を認めて謝罪するなどの状況によっては付くかもしれません。初犯でも、否認したままで謝罪しなければ、実刑になると思います」
同乗者についても、罪に問われる可能性があるとする。
「同乗者がスピードを出すように煽ったりしていれば、業務上過失致死傷の共犯になりえます。過失が分かっていながら、容疑者をかばって何も言わなかったとすれば、犯人隠避の罪になる可能性があります」
(J-CASTニュース編集部 野口博之)