「自主投票だと言われているが、水面下の動きを見れば...」
ただ、「自主投票」をうたう中でも、派閥の意向も無視できない。最大派閥の細田派(96人)は岸田氏か高市氏の支持を決めている。安倍晋三前首相は高市氏を支持。SNSで高市氏を応援する議員の書き込みを拡散するなど、「空中戦」でも支援している。河野氏が所属する第2派閥の麻生派(53人)は、河野氏か岸田氏を支持するが、所属議員の投票は拘束しない方針。高市氏への投票も容認する姿勢だ。無派閥の小泉進次郎環境相は河野氏支持を表明しており、9月16日に開かれた「河野太郎の総裁選必勝を期す会」には石破氏と一緒に出席した。小泉氏は、この「必勝を期す会」のあいさつで、
「派閥の行動は自主投票だと言われているが、水面下の動きを見れば、全くそんなことはない」
と発言。「自主投票」を掲げる派閥の中でも、河野氏を支持するメンバーに対する引きはがし工作が行われているとの見方を示した。
党員票の影響が大きい1回目の投票は河野氏にとって有利だが、決選投票では、岸田氏に比べて派閥としての支援が少ない河野氏には不利な局面になる可能性がある。野田氏の出馬が確定したことで、票が分散して決選投票にもつれ込む可能性が高まったことになる。