ドラマ「ナイト・ドクター」(フジテレビ系)が、2021年9月13日に最終話を迎えた。
医師たちの青春群像劇が描かれる一方で、コンビニ受診や無保険患者など、現代医療におけるさまざまな問題点を描いてきたことが、改めて注目を集めている。
それぞれが仲間との別れを決意する
ドラマの舞台は、365日24時間どんな患者も断らない医療を目指す「あさひ海浜病院」が立ち上げた夜間勤務専門の救命医チーム「ナイト・ドクター」。医師6年目の主人公・朝倉美月(波瑠さん)は、年齢も性格も価値観もバラバラな5人の医師とともに、医療や人生を見つめていくというストーリーだ。
※以下、一部ネタバレを含みます※
ナイト・ドクター制度を普及させるため、全国各地での施行が決定した。そこで、これまで培ったノウハウや信念を新しい人材にも伝えるべく、あさひ海浜病院の現チームは解散。5人バラバラで各地域の病院で働くことを打診される。
一様に戸惑う5人だったが、その日の夜、夜間作業中に負傷した人たちを救ったことを通して、夜間に医師が働いている重要性を改めて認識。仲間との別れを選び、それぞれが各地で頑張ることを決意するのだった。
視聴者にさまざまな問題提起をした各話
このドラマでは、ナイト・ドクター制度を通じて、現代医療が抱える問題点を浮き彫りにしてきた。改めて振り返る。
本作の第2話では、平日の昼間に体の不調を自覚しながらも、仕事などがあって病院に行くことができず、夜間や休日の救急外来に訪れる軽症患者に対する「コンビニ受診」と呼ばれる患者が描かれた。
夫婦共働きで、患者の子どもは幼稚園児。仕事と子育ての両立に悩む母親は、コンビニ受診をしてしまう理由について、
「面倒くさいって思っちゃったんです。しょっちゅう保育園から熱を出したって連絡がきて、その度に(仕事を)早退して...」
と苦しい胸の内を打ち明ける。
これに朝倉は「今は、女性が外に出て働くのが普通になった。でも、昼間に病院に連れていくのが普通って言われたら矛盾していますよね」「いつか昼間に忙しい人たちが、気軽に夜の病院に来られるようになればいい」と声をかけている。
「一緒に悩み考えられるドラマ」
そのほかにも第3話では、無保険であるため高額な手術を拒む患者について、第9話ではドナー登録をめぐって「ドナーを提供した人(レシピエント)の家族」「提供された人」「登録しようとしている人とその家族」という3つの視点で葛藤する姿が描かれた。
医療行為だけでなく、その行為をめぐる人の心理描写をしっかりと表し、ときに問題提起をするようなテーマを取り扱った本作。最終話を迎え、視聴者からは
「素晴らしいドラマだった。考えさせられることがたくさんあった。観てよかった。 ドラマのテーマも展開も俳優さんの演技も劇伴も素晴らしかった」
「改めて現代の医療について考えさせられるドラマだったな」
「ナイト・ドクターはたくさんの社会問題を扱って問題提起してほんと改めて考えさせられることが多かった。リアルな人間模様も良かった。こういうドラマ好きです」
「働き方改革施行における若き医師達の青春群像ドラマだと思って見始めたナイト・ドクターはさりげなく問題提起するむしろ社会派医療ドラマだった」
「最初は微妙だなと思ったけど 回を重ねるごとに面白くなって 皆が成長していく姿や この時代の色んな事に問題提起しつつ ヒーローが何でも解決するドラマじゃなく一緒に悩み考えられるドラマが今の私には心に響きました」
などと反響を呼んでいる。