「ゴルシが農家やってる」 田んぼに現れた「ウマ娘」かかしが話題に...なぜ制作?担当者に聞いた

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   「ゴルシが農家やってると聞いて見に来たわ」――神奈川県海老名市の田んぼに現れた案山子(かかし)にSNS上で大きな注目が集まっている。

   話題になっている案山子は、スマートフォン向けゲーム「ウマ娘 プリティーダービー(以下 ウマ娘)」などで活躍するキャラクター「ゴールドシップ」をイメージしたもの。制作したのは、市の教育支援教室「びなるーむ」に通う生徒たちだ。

  •  画像:中新田かかしまつり実行委員会提供
    画像:中新田かかしまつり実行委員会提供
  •  画像:海老名市教育支援教室(びなるーむ)提供
    画像:海老名市教育支援教室(びなるーむ)提供
  •  画像:中新田かかしまつり実行委員会提供
  •  画像:海老名市教育支援教室(びなるーむ)提供

「お米、食べてますか!?栄養、獲れてますか!?」

   海老名市では、2021年9月4日から自作の案山子を展示するお祭り「中新田かかしまつり」が開催されている。アニメなどで話題の「鬼滅の刃」のキャラクターや、市イメージキャラクター「えび~にゃ」をイメージした案山子など、意匠を凝らした26体の案山子が市内の田んぼに展示された。

   SNS上では、ウマ娘の「ゴールドシップ」を象った案山子に大きな注目が寄せられている。実在の競走馬「ゴールドシップ」を擬人化した女性キャラで、細かな帽子やバッグなどの小物類まで丁寧に再現されており、クオリティの高さが話題になっている。

「まさかのウマ娘かかし。ゴールドシップです。なぜゴールドシップなのか分かりませんが、クオリティー高いですね!」
「ゴルシのかかし見てきた。なかなかクオリティ高くてワロタw」

   ゴールドシップの案山子は、右手にはおにぎりを携え、不敵な笑みを浮かべ田んぼに佇んでいる。案山子の隣にはゲーム画面を模したパネルが立っており、「かかしまつりに出走」したと説明されたゴールドシップがこう述べる。

「お米、食べてますか!?栄養、獲れてますか!?」

なぜゴールドシップを制作?

   ゴールドシップの案山子を制作した「びなるーむ」は、様々な理由で不登校となっている小中学生のために海老名市が運営する支援教室だ。

   ひとつのものをみんなで作る経験や、地域とのつながりを深めるために、1998年から中新田かかしまつりには参加している。過去には「初音ミク」、「あつ森」、「ガンダム」から着想を得た案山子も制作したそうだ。

   24度目の参加となる今回。ゴールドシップを選んだ理由について、びなるーむを運営する市教育部教育支援課の担当者はJ-CASTニュースの9月13日の取材に次のように説明した。

「教室の子どもたちが、意見を出し合って、話し合いをして決めました。かかしなので、お米に関連したおにぎりも制作しました。
ゴールドシップは、『お米が似合う』、『赤の服が映える』などの意見がありました」

   密にならないよう工夫しながら作業を進め、完成までには約1か月かかった。

   こうして出来上がった作品がSNS上で話題になったことについて、びなるーむは「子どもたちの自信や地域活性につながるといいなと思っております」とコメントした。

実行委員会も「ネット上でも話題になりありがたく思っております」

   中新田かかしまつりはもともと、中新田営農組合が新旧住民の親睦と交流を深める場として始めたのだ。1993年から開催されており今年で29回目を迎えた。

   例年は60体から70体ほどの案山子が出展されるが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で20年は開催を中止し、今年は規模を縮小して開催。本来は一般募集し市長も審査員として出席する表彰式のあるコンクールを兼ねたお祭りだが、今回は実行委員会から選んだ団体のみに出展を募った。

   中新田かかしまつり実行委員会によれば、多くの案山子は木材やパイプに藁を巻いて服を着せる方法で作られているが、最近では発泡スチロールにガムテープを巻く方法も増えているという。

   実行委員会ではテーマを設けていないが、例年は出品者がその年もしくは今後話題になると推測したものを象った案山子が多く出品されるそうだ。ただし今回に限っては海老名市市制施行50周年を一つのテーマとして掲げた。話題になったゴールドシップの案山子のそばに添えられた看板にも「海老名市制50周年」と描かれている。

   今回、中新田かかしまつりがSNS上で大きな注目を集めたことについては、こう述べる。

「実行委員会としてホームページを開設したのがつい最近の2019年6月です。 その後、徐々にネット上でも話題になりありがたく思っております。本来は会場に直接足を運んで生のかかしの表情やつくりを実際に家族やご友人と観ていただき交流を持っていただくことが実行委員会としての狙いでもあります。
今回は出品数も抑えて小田急線からみえる大きな看板も設置せず積極的なお誘いも控えて開催しました。それが逆に外出できない事情も含めてネット上で話題になっているのではとも思います」

   そのうえで「来年は第30回を迎える記念開催となりますので、このコロナ騒ぎが完全に落ち着いて思い切った企画ができればと願っております」とした。

(J-CASTニュース編集部 瀧川響子)

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