岸田文雄氏、金総書記との会談「選択肢として排除はしない」 安倍・菅政権「無条件」は踏襲せず

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   自民党総裁選(2021年9月17日告示、29日投開票)への立候補を表明している岸田文雄衆院議員が9月13日、東京・丸の内の日本外国特派員協会で記者会見し、北朝鮮の金正恩総書記との会談について「選択肢として排除はしない」と述べた、

   安倍晋三前首相は正恩氏と前提条件をつけずに会談に臨みたい考えを表明しており、菅義偉首相も、その方針を踏襲している。一方、岸田氏は、北朝鮮との対話の可能性について「バイデン新政権の北朝鮮政策を確認した上で、その中で必要であれば」という前提条件をつけた。米朝関係の推移を見守って判断したい考えで、南北関係には言及しなかった。

  • 日本外国特派員協会で記者会見する岸田文雄衆院議員(写真は日本外国特派員協会の配信動画から)
    日本外国特派員協会で記者会見する岸田文雄衆院議員(写真は日本外国特派員協会の配信動画から)
  • 日本外国特派員協会で記者会見する岸田文雄衆院議員(写真は日本外国特派員協会の配信動画から)

「米朝関係、その2つの国の間のさまざまな政策、全体を見る中で」

   岸田氏はオンラインで寄せられた

「首相になった場合、金正恩氏と1対1の首脳会談、または多国間の首脳会議に応じるか」

という質問に答える形で、次のように述べた。

「北朝鮮政策については、バイデン新政権の北朝鮮政策を確認した上で、その中で必要であれば、我が国も対話等の汗をかくことは考えなければならないと思う。米朝関係、その2つの国の間のさまざまな政策、全体を見る中で、日本の役割を考えていく。選択肢として排除はしない」

   安倍氏は19年5月に「前提条件なし」の日朝首脳会談実現を目指す考えを打ち出しており、菅氏も安倍政権の方針を踏襲している。

   北朝鮮による拉致問題については、岸田氏は9月13日午前の政策発表記者会見で、

「北朝鮮に対しては、国際社会全体としての制裁による圧力を最大限に高め、核・ミサイル開発の完全な放棄を迫り、全ての拉致被害者の即時一括帰国を目指す」

と言及している。菅政権では避ける傾向にあった「制裁」「圧力」というフレーズが復活した。菅氏は1月18日の施政方針演説で、北朝鮮政策について次のように述べていた。

「政権の最重要課題である拉致問題については、私自らが先頭に立ち、米国を含む関係国と緊密に連携しつつ、全力を尽くします。金正恩委員長と条件を付けずに直接向き合う決意に変わりはなく、日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して、国交正常化を目指します」

バイデン政権は「調整された現実的なアプローチ」で「朝鮮半島の完全な非核化」目指す

   バイデン政権の対北政策をめぐっては、ホワイトハウスのサキ報道官が4月30日(米東部時間)の記者会見で、「見直しが完了した」と発言している。

   米国としての目標は、引き続いて「朝鮮半島の完全な非核化」だとする一方で、トランプ政権の「グランドバーゲン」(一括取引)や、オバマ政権の「戦略的忍耐」には「重きを置くものではない」とも説明。北朝鮮との外交に門戸を開き、米国、同盟国、展開している軍隊の安全を向上させるための現実的な進展を目指す、「調整された現実的なアプローチ」をとる、ともしている。さらに、

「見直しの過程で、同盟国やパートナーとは緊密に連絡を取り合っている。 2週間前に菅首相と会談した際にも議論している」

とも言及している。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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