障害者は当たり前に世の中にいる
「ダイバーシティ」が叫ばれる世の中で、実際にパラスポーツへの認識、さらには障害者に対する認識に、前向きな変化が起きていると感じた東京パラリンピックでした。そして、大事なのはこれからです。
パラリンピックの熱を冷まさないためにどうするかは、社会全体で考えていくことです。その中でも各メディアには、アスリートからの「バトン」を繋いでもらいたいなと思います。パラリンピック以外にもたくさんある、様々なパラ競技大会を取り上げてもらって、それを見たファンが試合会場に足を運ぶ。そうやって周りからパラスポーツを盛り立てる空気を作っていく。こういうことは、メディアだからこそできることです。
僕もパラ陸上や車いすラグビーは何度も現地観戦してきました。やっぱり生で見ると、より興奮や感動があります。今は新型コロナウイルスの影響で現地に行くのは難しいかもしれませんが、少しでも多くの人に興味の熱が続いて、行動に移ってくれたらいいなと思います。東京パラリンピックからそうした動きに繋がっていくことで、ゆくゆくは健常者と障害者の間にある「壁」がなくなっていってほしいですね。
世の中にはアスリートに限らず、僕みたいにサラリーマンとして生計を立てている障害者もいます。知り合いにも片足がない美容師や、車いすの税理士、いろんなフィールドで活躍している人が大勢います。障害者は当たり前に世の中にいる。多くの人が東京パラリンピックを機に、そういったことも知ってもらえたらいいなと思います。僕自身これからも、自分にできる範囲で障害についての情報発信を継続していきます。