うろおぼえが図書館の助けに? SNSで話題「覚え違いタイトル集」が書籍化→収益はそのまま本で

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気になる本の中身は?

   「覚え違いタイトル」を書籍化するにあたって、井藤さんは「書籍で楽しんでもらうのはすごくハードルが高いのではないか」と感じていたという。元のリストがインターネット上で無料で見ることができるものであり、古いものは公開から15年近くたっているためだ。しかし完成してみると「本当に良い本が出来上がった」と感嘆した。

   苦労した点は、利用者から相談を受けた当時の記憶を掘り起こすことだったという。当時の資料をもとに他の司書らと会話をしながらなんとか思い出していったそうだ。

   こうして出来上がった単行本「100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集」には、厳選された覚え違いタイトル92件や図書館司書の仕事の紹介などが収録される。見どころの1つは、レファレンスのコツ。井藤さんは「探せなかった本が探せるようになるかもしれないかもしれません」と話す。

   ちなみに井藤さんによれば、実際は「内容は覚えてない昔読んだ本」を探したいといった相談も寄せられるという。

「タイトルや著者で本がヒットしない場合は、何で知ったかなど、いろんな情報を引き出して検索を行います。ドラマ化されていたのか映画化されていたかなど、どう話題になっていたのか。このほか何か印象深いシーンがあったかなど、とにかく情報を集める作業です。蔵書のデータベースだけでヒットしないときは検索エンジンも活用しています」

    もし図書館で、探していた本が検索で見つからなかった場合にも気楽に相談してみてほしいという。

「『覚え違いタイトル集』でレファレンスサービスを知ってくださった人も多いと思います。このサービスは福井県立図書館だけでなくどこの図書館でも利用できるサービスですので、興味を持ってくださった方は是非お近くの図書館のレファレンスセンターを活用してみてください」(井藤さん)

(J-CASTニュース編集部 瀧川響子)

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