神奈川県相模原市に設置されたレトロ自販機が何者かによって破壊された事件を受けて、富山県のレトロ自販機所有者・嵯峨拓也(さがたくや)さんは2021年9月8日、「あちらも無事に治りますように」とツイッター上でエールを送った。
嵯峨さんの自販機も過去に同様の被害を受けたものの、こちらは幸運にも元の姿に戻すことが叶った。製造から3、40年が経過しているレトロ自販機の修理は、一筋縄ではいかないという。
売り切れに怒った客がボタンを叩き壊した
「中古タイヤ市場」相模原店で2021年9月5日、敷地内に設置されているハンバーガー自販機の注文ボタン部分が壊される事件があった。防犯カメラには、カップルで来た男が注文ボタンを何度も殴る様子が映されている。
中古タイヤ市場を運営するラットサンライズの斉藤辰洋社長は9月8日、J-CASTニュースの取材に対し、自販機は35年前に製造されたもので、破壊されたボタンの部品が手に入らず、自販機を再稼働できるメドは立っていないと述べた(詳報:人気レトロ自販機を殴って破壊、笑って撮影 損壊被害に設置者「ショックです」...稼働のメド立たず)。
富山県黒部市でハンバーガー自販機を管理する嵯峨さんは、この事件に胸を痛め、次のツイートをした。
「当方で所有する自販機も譲渡前に同様の被害に遭っております。こちらは有志の協力により3Dプリンターで複製、復活することができました。あちらも無事に治りますように」
嵯峨さんの自販機は、2018年5月まで富山県砺波市にあったドライブイン「食遊空間頼成山」に設置されていたもので、閉店に際して引き取った。この時6か所あるボタンのうち1つは使用不能だった。ドライブインのオーナーからは「深夜にハンバーガーを買いに来た客が、売り切れに怒って注文ボタンを叩き壊していった」と説明されたという。
こうした事情から嵯峨さんは、「当方の自販機も過去に同様の被害を受けていたことから、他人事に思えなかったのです。そして修理が困難との報道に、レトロ自販機を愛する方からの落胆する声もたくさん拝見しました。復活させることができた事例を紹介することで、落胆している皆さんに希望を持ってほしいと思い、ツイートしました」と話した。
では、どのように自販機を復活させたのか。