高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ
自民党総裁選に求められる「有事対応」の議論 既存制度で露呈した「欠陥」とは

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目先の話でなく、骨太の議論を

   いずれにしても、これらの既存制度では、新型コロナやアフガンの邦人救出などの有事対応ができない、日本の憲法の欠陥が露呈した。

   幸いなことに新型コロナは収まりつつある。死亡率の高かった高齢者ではかなりの程度ワクチン接種が行われており、第5波において、日本の新規感染者数は過去最高だったにもかかわらず、死者数はそうでなかった。第5波における感染者に対する死亡率は0.2%程度であり、第4波以前の1.8%程度より格段に低い。ワクチン接種が進み、1.2万人程度の命を救えた。

   また、最近の死亡率0.2%程度は、インフルエンザの死亡率0.1%程度に近づいている。

   この際、自民党総裁選では、目先の話ではなく、憲法での有事対応という国家の基本について骨太の議論を是非展開してほしい。


++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣官房参与、元内閣参事官、現「政策工房」会長
1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。20年から内閣官房参与(経済・財政政策担当)。21年に辞職。著書に「さらば財務省!」(講談社)、「国民はこうして騙される」(徳間書店)、「マスコミと官僚の『無知』と『悪意』」(産経新聞出版)など。


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