野党4党(立憲民主、共産、社民、れいわ)は2021年9月8日、野党共闘を求めている市民団体「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」(市民連合)との政策合意に調印した。
合意は、(1)憲法(2)コロナ対策(3)格差是正(4)エネルギー(5)ジェンダー平等(6)行政の透明化の6分野。次期衆院選で4党が掲げる政策の柱になるとみられるが、国民民主党は参加しなかった。玉木雄一郎代表は9月9日の記者会見で、特に安全保障の分野で「必ずしも相いれないところがあった」などと説明。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古沿岸部への移設問題に関する記述に問題があるとの見方を示した。
「単に『中止』というだけでは十分ではない」が...
玉木氏は、調印を見送った理由について
「その(政権交代の)ためには、我々は現実的な政策・アプローチが必要だと思っているし、元々改革中道を掲げて結党した政党なので、政策面においても、あくまで我々はリアリズム、現実主義と貫いていきたいという中から、今回の内容については、必ずしも相いれないところがあった」
などと説明。具体的に聞かれて挙げたのが安全保障、特に辺野古問題だ。4党が調印した政策合意で、辺野古に関する記述は
「地元合意もなく、環境を破壊する沖縄辺野古での新基地建設を中止する」
というもの。玉木氏はこの記述について次のように話し、(1)米国との協議をせずに一方的に中止を打ち出している(2)代替案を示していない、という2点を問題視した。
「確かに軟弱地盤が明らかになって問題だとは思うが、単に中止すると一方的に決めるものではなく、やはり相手があるので米国との協議も必要だし、もしそれが駄目であれば、普天間基地の返還を求める立場なので、プランB、代替案をどうするのかということをしっかり話していくということが必要なので、一方的に中止ということは、日米同盟を重視し、現実的な安全保障政策を進めていく上では、我が党の考え方としては、単に『中止』というだけでは十分ではない」