菅義偉首相の任期満了に伴う自民党総裁選(2021年9月17日告示、29日投開票)は8日までに岸田文雄前政調会長(岸田派)、高市早苗前総務相(無派閥)が立候補を表明し、河野太郎行政改革担当大臣(麻生派)も出馬の意向を固めている。
次の総裁は「誰がいい」か――。J-CASTニュースは菅首相が総裁選不出馬を表明した9月3日から、読者アンケートを実施。有力議員が上位に名を連ねた中、浮上した「意外な名前」とは。
岸田氏「令和版所得倍増」、高市氏「サナエノミクス」
今回の総裁選は「国会議員票」(383票)と、全国の自民党員・党友による「党員票」(383票)の計766票で争われる見通し。有効票の過半数を獲得した候補者が当選し、過半数に届かない場合は上位2候補による決選投票(国会議員票383票、都道府県連代表票47票)が行われる。
岸田氏は総裁選の日程が決まった8月26日に出馬を正式表明。これまで平井卓也デジタル相、甘利明税制調査会長らが支持を表明している。9月8日の記者会見では、小泉純一郎政権下で進められた、規制緩和や構造改革などの新自由主義的な政策が経済格差を生み、コロナ禍でさらに格差が広がったとして、こうした政策の転換を主張。格差是正のための政策案「令和版所得倍増」を発表した。
安倍晋三前首相(細田派)が支援の意向を示している高市氏は、9月8日の記者会見で立候補を正式表明。会見では「国の究極の使命は、国民の皆さまの生命と財産を守り抜くこと、領土・領海・領空・陸資源を守り抜くこと、そして国家の主権と名誉を守り抜くことだと考えている。その使命を果たすために、私のすべてをかけて働くことをお誓い申し上げる」と述べた。日本経済の強靭化を目指す政策「サナエノミクス」も発表した。
また、河野氏は9月3日に出馬の意向を固め、野田聖子幹事長代行(無派閥)も出馬に意欲を示していると報じられている。過去4回(08年、12年、18年、20年)総裁選を戦った石破茂元幹事長(石破派)の動向も注目されている。
岸田氏差し置き...
新たな自民党総裁は、あくまで党に所属する国会議員と、全国の党員の票によって決まる。それでも、もし読者が「次の総裁」を選べるならば、一体誰を選ぶのだろうか。
J-CASTニュースは菅首相が総裁選の不出馬を表明した9月3日13時21分から9月8日17時にかけて、読者アンケートを実施。自民党の有力議員の中で「総裁になってほしい」と思う人を聞いた。
全1343票のうち、もっとも票を集めたのは河野氏(357票)。ツイッターのフォロワー数は国会議員の中で最多の238万人を数える(8日現在)。インターネットユーザーからの人気の高さが、票にも繋がったか。
次いで多かったのは高市氏(349票)。河野氏とは8票差だった。初の女性総裁・女性首相誕生への期待や、安倍氏の支持を得ていることが要因か。
3番目に多かったのが、過去4度の出馬経験がある石破氏(185票)。12年の総裁選では決選投票の末、安倍氏に敗れたものの、最多の地方票を獲得するなど存在感を示した。今回も「対抗馬」としての期待が持たれているのだろうか。
そして4番目は安倍前首相(166票)だった。第2次安倍政権(12年〜20年)では経済政策「アベノミクス」を打ち出し、戦後最長の2822日連続在任。20年9月に健康問題を理由に辞任したが、早くも「再登板」を願う人がいるようだ。
安倍氏に次いだのが岸田氏(142票)。前回の総裁選では菅氏に敗れ2位に終わった。今回の総裁選ではもっとも早く出馬を表明したものの、読者からの票数は伸び悩む結果となった。