山梨県の和菓子屋「金精軒製菓」がツイッター上に公開した動画が大きな反響を呼んでいる。同社の人気商品「水信玄餅」を盛り付ける音が、宮沢賢治の短編童話「やまなし」に登場する「クラムボン」の笑い声を思わせるのではないかという。
J-CASTニュースは、金精軒製菓の広報担当者に動画の投稿背景などを取材した。
「すごい、かぷかぷ笑ってる...!」
金精軒製菓の水信玄餅は、名水の産地として知られる山梨県北杜市白州町の水を少量の寒天で固めた和菓子だ。無色透明で、手のひらサイズに収まるしずくのような形状をしている。
金精軒製菓は2021年9月7日、この水信玄餅の型抜き作業の様子をツイッター上に公開した。
動画では、固めるための容器に入った水信玄餅が並んでいる。職人はこの器をさかさまにし、販売用の皿の上に載せていく。水信玄餅が容器から滑り落ちると隙間に入り込んだ空気があふれ、たぷたぷと音を立てる。プリンやゼリーなどを取り出す音に近いが、それよりも水けを含んだ独特な音だ。
この音を、金精軒製菓のツイッターはこう評する。
「クラムボンの笑い声は多分こんな音です」
「クラムボン」は、宮沢賢治の短編童話「やまなし」に登場する単語。川底に暮らす蟹の兄弟が「クラムボンはかぷかぷわらったよ」などと口にするのだが、その正体については描かれていない。クラムボンはいったい何なのか、読者の間ではアメンボや泡、蟹の母、光や波など様々な推測が広がっている。
しかしSNS上では、「すごい、かぷかぷ笑ってる...!」「確かに、かぷかぷ笑ってるって感じの音だ」などと共感が広がった。この投稿は8日16時現在までに、2.8万リツイート、10万「いいね」を超える反響が寄せられている。