ゴムマスクを手掛けることなどで知られるオガワスタジオ(さいたま市)は2021年9月6日、主力商品だった「ラバーマスク」の製造・販売を終了すると発表した。ツイッターでは「これは非常に悲しい」などと惜しむ声があがっている。
J-CASTニュースは同社に製造を終了する理由や今後について取材した。
生産量は例年の3分の1ほどに
オガワスタジオは1905年に創業したゴム工場。アニメや特撮などの人気キャラクターをかたどった着ぐるみやかつらなどのパーティーグッズを製造・販売している。主力商品はゴムでできた被り物「ラバーマスク」で、忘年会やハロウィンなどで用いられていた。
最近ヒットした商品は、アメリカ前大統領ドナルド・トランプ氏をイメージしたラバーマスク。このほかライセンス商品として、アメリカの人気作品「スター・ウォーズ」や「MARVEL(マーベル)」シリーズで活躍するキャラクターのマスクも人気を博していた。
そうした中9月6日、オガワスタジオは9月末を持ってラバーマスクやかつらなどの製造・販売を終了すると、ツイッター上で発表した。同社は取材に対し、新型コロナウイルス感染症拡大の影響があると述べる。
「去年からラバーマスクの注文は減っていました。コロナ拡大の影響でハロウィンなどのイベントが減少し、生産量は例年の3分の1ほどになっていました。
オリンピックのインバウンド需要があれば、ゴムでできたかつらなどが売れるのではないかと思っていましたがこちらも外れてしまい、会社としてラバーマスクの製造を続けるのが難しくなりました」
「オガワスタジオ」のブランドは残していく
SNS上ではオガワスタジオのマスクを惜しむ声が広がっている。
「これは非常に悲しい もう国産マスクメーカーなくなっちゃうのかぁ...」
「オガワスタジオさん、高クオリティで安価なアイアンマンのマスクをありがとうございました............マーベルやスターウォーズの公式ライセンスも持ってたのに、めちゃくちゃ寂しい.........」
公式サイトによると、オガワスタジオは「日本で唯一のラバーマスクメーカー」として、日本製の高品質なゴムマスクの製造にこだわりを持っていた。取材に応じた担当者は「クオリティはどこにも負けない自信がありました。しかしクオリティだけではどうしようもなくて...」と悔しさを吐露する。
今後、オガワスタジオはいったいどうなるのか。同社によれば、親会社であるハヤカワカンパニー(名古屋市)に吸収される予定だという。それでも「オガワスタジオ」のブランドは残していくと、強く意気込む。
「ハヤカワカンパニーに吸収という形になりますが、そこで製造を続けていきます。マスクなどのパーティーグッズはもう作らなくなりますが、これまで培ったものを生かして、今後はさらに皆様の生活に役立っていけるような商品を開発していきます。オガワスタジオのブランドは残していきます」
オガワスタジオではさっそく新商品のアイデア出しや試作品の製作が行われているという。
(J-CASTニュース編集部 瀧川響子)
(2021年9月7日12時20分追記)オガワスタジオは9月7日、ツイッター上で6日の発表について訂正を行った。当初はラバーマスク・かつらの製造・販売を9月末までで終了するとしていたが、受注を9月末までで終え、年内に作製・納品するとしている。 同社の投稿は以下の通り。
「【訂正】今後の予定としまして 9月末までで『ラバーマスク・かつら』のご注文を最後とし その後10月~12月までに作製・納品させていただきます。
皆様沢山のお言葉有難うございます。大変励みになりました。
僅かな期間ではございますが、従業員一同マスク・かつらの製造を取り組んで参ります」