東京五輪ボクシング女子フェザー級金メダリスト入江聖奈(20)=日体大=の解説が反響を呼んでいる。
入江は2021年9月1日に東京・大田区総合体育館で行われたWBO世界スーパーフライ級タイトル戦(王者・井岡一翔-挑戦者フランシスコ・ロドリゲス)を中継したTBSの番組にスペシャルゲストとして出演し、リングサイドから世界戦の解説を務めた。
入江「井岡選手はどの距離からも華麗なコンビネーションを」
プロボクシングの試合を生観戦するのは初めてだという入江は、試合前に王者井岡について「鉄壁のディフェンスと距離の支配力と正確な攻撃、スキのない選手」と評した。
試合は初回からロドリゲスが積極的に攻め込む展開を見せ、井岡が迎え撃つ形で進んだ。
2ラウンドを終えた時点で入江は「ロドリゲス選手の勢いに乗った時のコンビネーションと左アッパーの角度が怖いなと思うものがあると思いますが、井岡選手の左ボディーがきれいに入るので勝負の行方が分からないです」と分析し、次のように続けた。
「(ロドリゲスのアッパーが)縦に入るような感じで相手からしたら避けづらいんじゃないかなと思います。井岡選手はどの距離からも華麗なコンビネーションを打てるのでそこは強みかなと思いました」
中盤に入ると井岡のギアが上がり、ロドリゲスが失速気味になり、流れが井岡に傾き始めた。
入江「一気に井岡さんのペースになると思います」
入江は6ラウンド終了後に「ロドリゲスさんの右、左で入ってくるコンビネーションと飛び込んで入ってくる左フックはやっかいですが、少し運動量が落ちているので、井岡選手が前半から打ち続けたボディーがじわじわと出てくると思います」と指摘し、終盤戦の戦いについて言及した。
「プロは長丁場なのでやはりボディーの効果は絶大だと思いますし、疲れたところに打つボディーというのはすごくしんどいと思うのでここから一気に井岡さんのペースになると思います」
試合は3-0の判定で井岡が勝利し、3度目の王座防衛に成功した。
入江は「プロボクサーのすごさを生身で感じました。すごかったです」と率直な気持ちを吐露し、「10、11、12(ラウンド)でお互いにテンポを上げて、これだけのラウンドをしてまたテンポを上げられるのは信じられなかったです」との感想を述べた。
この日初めてプロボクシングの解説を務めた入江に対してツイッターでは「コメントが的確すぎた」「オリンピックチャンピオンの解説は良かったなー」「入江聖奈のコメント冴える」「入江聖奈さんの解説めちゃ的確でおしゃべりも上手」など称賛の声が上がった。