「ツ、ツ、ツギョー!!」
米大リーグ・パイレーツの筒香嘉智選手がホームランを打つと、試合中継の実況が興奮気味に放つ言葉だ。日本のユーザーからは「ツツゴー」の言い間違いではないかという指摘も聞かれる一方で、「元ネタ」の存在も示唆されている。
「筒香が言えないの愛おしすぎる」という声も...
大リーグ2年目の2021年シーズンはレイズで開幕を迎えた筒香選手。しかし、結果を残せず5月にドジャースへトレードされた。移籍後もメジャーでは振るわず、7月にマイナー契約。それでも3Aではホームランを量産し、8月にはパイレーツとメジャー契約を交わした。
パイレーツ移籍後は持ち味のパワフルな打撃が復活。代打では4打数3本塁打(現地時間30日時点)と無類の勝負強さを誇り、スタメン出場した29日のカージナルス戦では9回にサヨナラ3ランを放った。
出色の活躍を続ける中、日本の野球ファンが注目しているのは、筒香選手がホームランを打った時の実況の反応だ。地元放送局「AT&Tスポーツネット・ピッツバーグ」でパイレーツ戦の実況を務めるグレッグ・ブラウン氏は、筒香選手がホームランを放つたびに「ツ、ツ、ツギョー!!」と興奮気味に叫んでいる。
日本のツイッターユーザーからは「筒香て言いづらいのかな?」「筒香が言えないの愛おしすぎる」と、「ツツゴー」を言い間違えた結果「ツツツギョー」と言ってしまったのではないか、という指摘が聞かれている。しかし、実況中には「ヨシ・ツツゴー」と名前を正確に発音するシーンもあり、ブラウン氏の言い間違いというわけではなさそうだ。
浮上した英有名シンガーの名前
そんな中、ネット上では「ツツツギョー」の元ネタにあたる存在が示唆されている。イギリスのシンガーソングライター、フィル・コリンズさんが1985年にリリースした「Sussudio」(ススーディオ)という楽曲だ。
80年代らしい打ち込みのドラム・マシーンが印象的なこの曲には、「ス、ス、スーディオ」というフレーズが繰り返し登場する。米ではこの「ス、ス、スーディオ」が「Tsutsugo」に発音が似ているとして、実は20年のレイズ在籍時から話題になっていた。以下は、そんな米ツイッターユーザーの声だ。
「いつもフィル・コリンズの『Sussudio』の曲に合わせて『筒香』と歌ってる」(I always sing "Tsutsugo" to the tune of Phil Collins' "Sussudio")
「筒香の登場時の歌は、フィル・コリンズの『Sussudio』であるべきだと思う」(I think Yoshi Tsutsugo's walk up song to the plate should be Sussudio by Phil Collins.)
実際に米大衆紙「USAトゥデイ」は20年3月、レイズのスプリングトレーニングで筒香選手の登場曲に「Sussudio」が使われていたと伝えている。
そして、ブラウン氏による「ツ、ツ、ツ、ギョー」もまた、この「ス、ス、スーディオ」にかけたものではないか、という説が広がっている。当のブラウン氏は30日、自身のツイッターで、筒香選手の活躍に絡め、こんな投稿をリツイートしている。
「YOSHI! フィル・コリンズのブラウニー(ブラウン氏のあだ名)の出番だ!」(YOSHI! Cue the Phil Collins Brownie!)
「グレッグ・ブラウンは、ツツゴーの名前の正しい発音を知っているのだろうか?彼は毎回間違っているからね」(Does Greg Brown now know the correct pronunciation of Tsutsugos name? Because he gets it wrong every time.)
大リーグのレギュラーシーズンも残すところ1か月ちょっと。ブラウン氏による「ツツツギョー」は、あと何回聞けるのだろうか。