それぞれの立場から見たドナー問題
そんな桜庭は、自身の過去を深澤に告白。朝倉とともに、一度心美ときちんと話すようアドバイス。深澤が心美の病室を訪ねると、心美は
「自分のために、少しでも誰かの役に立ちたかった」
「(こんな自分でも)堂々と生きていきたいから、これ(ドナーカード)を書いたんだよ」
と自分も救急医である兄と同じように人助けができると思うようになったと説明。これに深澤は心美の意思を尊重したいと考えを変え、気持ちの踏ん切りがつかないまでもカードに同意のサインを書く。
そんな複雑な思いを抱く深澤に対し、朝倉は「参考になるかわかんないんだけど...」と切り出すと、
「亡くなったときはお母さんの意思を尊重してお父さんと承諾書にサインしたけど、実際に提供し終えたお母さんと対面したらホントにそれで正しかったのかなってわからなくなった」
と当時の心境を振り返りつつ、「でも今もどこかで元気に生きている、そう思ったら悲しかったはずの過去がほんの少しずつ変わっていった」「このカードを残してくれたお母さんに、今は一番ありがとうって伝えたい」と思いを告白するのだった。