「土砂崩れで運休」都市近郊でなぜ多発? 豪雨の影響を受けやすい、関西特有の「鉄道事情」

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山地が多い関西地形の影響

   叡山電鉄は京阪電鉄の終着駅である出町柳駅を起点とする。出町柳駅は京都市中心部の北東に位置し、周辺には京都大学がある。そのため駅周辺は賑わっており、あまりローカル線の雰囲気は感じられない。

   途中の宝ヶ池駅で八瀬比叡山口方面と鞍馬方面に分岐する。土砂崩れが発生した貴船口駅周辺には人家は少ないものの、観光地、貴船の玄関口となる。

   確かに京都市中心部ではないが、京都市近郊にあるアクセスしやすい観光地といった感じだ。何とか紅葉シーズン前に復旧したことにより、観光客を意識した車両を持つ叡山電鉄としてはホッとしたのが本音ではないだろうか。

   関西は関東と比べると平野が少なく、山地が多い。

   そのため叡山電鉄に限らず、能勢電鉄や神戸電鉄など山地を走る都市近郊鉄道が存在する。21年8月中旬には大雨の影響により京阪京津線で線路浸水や土砂等の流入が発生し、数日にわたって運転を見合わせた。

   もちろん土砂災害による長期間にわたる不通は起きないことがベストだが、何が起きるかわからない世の中。鉄道事業者だけでなく、利用者も「万が一」のことは考えた方が良いのだろう。

(フリーライター 新田浩之)

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