内線電話や列車無線など、工夫の仕方は様々
親切心から声をかけて障害者に誤解されたケースはないのかについては、佐藤事務局長はこう話す。
「その可能性もあるとは思いますが、普通の行いなら、そんな誤解はされないのではないかと思います。障害者は、やはり危険を感じたので逃げたりしたのだと思います」
鉄道事業者に被害の実態を直接伝える場を設けてほしいと国交省に要望したところ、8月18日に全国60以上の鉄道事業者とのオンライン会合が実現し、メンバーの女性が話した。事業者は、その話を聞いていたが、意見などは出なかったという。
事業者のうち、JR東日本は27日、駅アナウンスについて広報部が取材に次のように説明した。
「放送は、障害者の方のご意向を伺ってから、ご案内の失念防止のため、主に降りる駅で最低限の情報を車掌と共有するために行っています。配慮はしており、断られれば、マイクは使いません。今後もこうした放送は続けながらも、要望を踏まえまして、安心してご利用できるような案内方法を検討していきます」
国交省の鉄道サービス政策室は27日、要望を受けて、やり方について考えてほしいと全国の運輸局を通じて、各鉄道事業者に7月16日に事務連絡したと取材に認めた。
路線の多さやダイヤの間隔、ホームの形状など、状況によって違うが、内線電話や列車無線、口頭伝達、特殊なハンドサインなど、工夫の仕方は様々ではないかという。「マイクを通さなくても、安全性を犠牲にせずにできるのではないかと考えており、各事業者からの報告を求めているところです」と話している。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)