東京パラリンピックの開幕で、NHKが中継に導入した「手話CG実況」に注目が集まっている。
全22競技の見どころも配信
手話CG実況は、人をモチーフにしたキャラクターが、試合の実況を手話で行う。コンピューターグラフィックス(CG)を駆使して手話のアニメーションを自動生成する。
実際の手話の動きをモーションキャプチャー技術で取り込み、約7000の手話単語をCG化したという。
オリンピックのバスケットボール競技でも取り入れられ、得点やペナルティーなど試合の様子やルール解説に用いられた。パラリンピックでは、「車いすラグビー」「車いすバスケットボール」の一部の試合で登場する。開幕に合わせ、全22競技の見どころも配信している。
NHK公式サイトによれば、聴覚障害者から意見を募り、温もりや親しみやすさを感じられる「人間らしいキャラクター」を目指したという。手の動きだけでなく表情や視線もこだわった。NHKパラリンピック放送リポーターの後藤佑季さんも制作に参加し、後藤さんの顔の形や肌の質感を360度撮影してデータ化し、手話CGのベースとした。
NHKでは2017年から手話CGに取り組み、検証を進めてきたとする。