中田翔「移籍で処分解除」なぜ許されたのか 田尾安志氏が指摘した「本当の問題点」とは

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   プロ野球の中日・西武・阪神に在籍し、楽天初代監督を務めた野球解説者の田尾安志さんが、暴力行為で日本ハムから出場停止処分を受けていた中田翔選手の、巨人への無償トレードについてYouTubeで持論を展開した。

  • 中田翔選手(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)
    中田翔選手(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)
  • 中田翔選手(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

「ジャイアンツが戦力補強をしただけっていう風に考えてしまう人も」

   中田選手をめぐっては2021年8月11日、同僚選手への暴力行為を理由に日本ハム球団より無期限の1・2軍の試合出場停止処分が発表。20日に巨人への無償トレードが両球団から発表される。

   20日から巨人の1軍練習に合流した中田選手は21日のDeNA戦で代打起用され、巨人の選手として初出場。スタメン出場した22日には移籍後初の本塁打を放った。

   中田選手の無償トレードについて、田尾さんは21日公開の「プロ野球コミッショナーの在り方はこれでいいのか?!」という動画の中で、

「中田翔を獲ってくれたことに関してはジャイアンツありがとうという気持ちで見ておりましたけれど、この処分解除は確かに早すぎる」
「日本ハムファイターズがいろいろ熟慮して決めた無期限出場停止を、ジャイアンツに行ったら今日からでもゲームに出られるよっていうような形になってしまうのは、確かにこれはおかしいんじゃないのかなって僕も感じております」
「謹慎処分からの解除、ここがあまりにも早すぎるってことは否めないですよね」

と話す。

   田尾さんはさらに、「こうなるとただ単にジャイアンツが戦力補強をしただけっていう風に考えてしまう人たちも多いんじゃないのかな」「いろんなことが起きた時に決断を下すのはプロ野球のコミッショナーだと思うんですよね。そのコミッショナーがお飾りみたいな感じで機能してない。ここに一つ大きな問題があると思います」と話し、このような事態にコミッショナーが球界でガバナンスを発揮することを求める。

「コミッショナーがしっかりと仕事をしてくれれば...」

   コミッショナーの職務について、日本プロ野球(NPB)の野球協約はNPB組織を統制し、NPB組織全体の利益確保のために指令を発し、また裁決・制裁を科すことができると定めている。しかし田尾さんは

「こういうトラブルが起きた時にコミッショナーが矢面に立っているかというと、見た事がない。結局は球団の考えで動いていくっていうような形が多い」
「実際はプロ野球コミッショナーよりもオーナー会議の方が決定権がある、みたいなところが一つ問題じゃないのかなという気がするんですね。結局オーナーが集まったあの会議、あれでほとんどが決まってしまう」

との私見を述べる。そのうえで、今回の一件をコミッショナー制度について考える機会にしてほしい、などと訴えた。

「今回中田翔の件で問題になっているのは日本ハムファイターズが無期限の出場停止という重い処分を下したにもかかわらず、ジャイアンツへの移籍で(処分が)なくなってしまった。これをどう受け止めるのか。これを裁定するのは一球団ではなくやはりコミッショナーの仕事ではないのかなという気がしております。そのコミッショナーがしっかりと仕事をしてくれれば、皆さんからの不満も減るでしょうし一球団の利害、そういうものも気にならなくなるんじゃないのかなという気がしますね」

とトレードに関する自らの考えを総括していた。

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