小倉記念で贈られるトロフィーの意味
さて、ウマ娘でのナイスネイチャも実に庶民派アイドルである。若駒ステークスでトウカイテイオーと対戦し、そこでトップとの壁を感じるシーンがゲームでもアニメでも登場するのだが、次の目標レースは小倉記念だ。
史実では骨膜炎で休養のため1991年春のクラシックに挑戦できず、中京で同世代同士の条件戦に2着とした後、小倉での古馬との条件戦に挑み2連勝、その次小倉記念も勝つことで3連勝によるオープン入りを果たし、同年の菊花賞出走へとつなげる。「菊花賞に間に合う」のである。
アニメ2期の2話では、チーム・カノープスで「あのさ、私が菊花賞出たいと言ったらどう思う?」「この後のレースで1着を獲り続ければ、なんとかなる?」「これ勝って、これ勝って、小倉記念に勝つ。そうすれば出られる?」とトレーナーに語るナイスネイチャは夏の小倉での3連勝を表現している。
小倉の商店街の人々にまで応援されたゲームでの小倉記念後、ナイスネイチャはトレーナーから折り紙のトロフィーを受け取るシーンがあるが、これはあの「千羽鶴」の比喩表現ではないだろうか。折り紙のトロフィーはナイスネイチャの親しみやすさを強調しているとともに、細かいところが史実とクロスしている。