かつて、日本ハムは育成に長けた球団の代表格として、アマチュア球界からも高く評価されていた。
とくに高卒の選手の育成に定評があり、森本稀哲、陽岱鋼、ダルビッシュ有、中田翔、中島卓也、西川遥輝、近藤健介、上沢直之、大谷翔平と、チームや球界を代表する主力が次々に誕生した。
「高校時代の輝きが消えてしまっている選手が多い」
ただ、15年以降のドラフトで入団した若手に伸び悩みが目立つ。新旧交代がうまくいかず、レギュラーが高齢化することで、チームも弱体化している。16年に日本一を飾ったのを最後に、17年以降は5位、5位、3位、5位と低迷。栗山英樹政権10年目の今季も最下位に低迷している。
「以前の日本ハムと比べると、雰囲気が緩くなったなとは感じます。選手個々の能力が低いわけではないが、高校時代の輝きが消えてしまっている選手が多い。清宮幸太郎がそうですよね。本来なら暴行事件で無期限の出場停止になった中田翔(※20日に巨人へのトレード移籍が発表された)に代わって一塁のレギュラーをつかんでいなければいけないのですが...」(スポーツ紙デスク)
清宮は早実で史上最多の高校通算111本塁打をマーク。高校生最多の7球団が競合し、球界を代表するスラッガーとして期待されたが、確実性が低く4年目の今季は1軍での出場がない。
同期入団で東京五輪の金メダルにも大きく貢献したヤクルト・村上宗隆と大きく差をつけられた。
「若返り」も厳しい選手層
清宮だけではない。金足農のエースで3年夏に準優勝に導いた吉田輝星もプロ入り後は目立った活躍を見せられず。高卒3年目の右の強打者・野村佑希が目立つぐらいだ。
「ファームの試合を見ても他球団の若手と比べて力が見劣りする。栗山監督は今季限りで退任、若返りを図ると言っても現状のメンバーでは1軍で通用する若手は少ない。
FAで戦力補強するチームではないので、若手の成長がチーム力に大きく影響を及ぼす。このままでは監督が代わっても、暗黒時代が続く恐れがあります」(スポーツ紙遊軍記者)
「育成の日本ハム」はこのまま低迷期に入ってしまうのだろうか。(中町顕吾)