実は「ニッコリ太陽」じゃなかった可能性も...
そして、記念誌には驚くべき内容も書かれていた。以下は、コジマの加藤孝幸専務(発行当時)のコメントだ。
「最終候補に残ったのは2案ありました。現在使っていない方の案はウインクしている図柄で、今でも水戸店に残されているはずです。一時は看板に太陽マークを2タイプ描いていたこともあったのですが、ウインク型はしばらくしてはずしました」
なんと、笑顔の太陽ではなく、ウインクした太陽がコジマの「顔」となる可能性もあったというのだ。
それでも、結果的には笑顔の方が採用された。加藤氏は「採用された原案に、名誉会長は自分で手を入れていきました。口を大きくして笑顔を強調し、角度をつけ、鼻を取ったことを覚えています。『商人は鼻を高くしてはいかん』と諭されたことが長く印象に残りました」と、ブラッシュアップの経緯を振り返っている。
こうして誕生した太陽のマークは「いつでもお客様に明るさと暖かさを提供し続けていきたい」(同記念誌)という思いのもと、当時店舗を増やしていたコジマの「顔」となっていく。
89年に全国100店舗を達成。「安値日本一への挑戦」をキャッチフレーズに掲げ、97年〜00年度には4期連続で家電小売業界トップの売上を記録した。98年には東証一部上場を果たすなど、文字通り業界の「太陽」となった。