スクラップを免れた機械遺産
きしろ社と大和ミュージアムの間で移設保存の合意がなされていたものの、博物館の入場者減少や、呉市の新型コロナウイルス対策費捻出のために移設費の捻出が難しくなり、CFにより支援を募ることになった。
戦艦という艦種そのものが21世紀には消失し、大口径の砲を製造する技術自体が失われた「ロスト・テクノロジー」となっている。15299機は当時の技術をとどめる機械遺産としての価値を持っている。
J-CASTニュースの取材に応じた、きしろ社で15299機の保存に携わっていた担当者によると、大和ミュージアムからの譲渡の打診は稼働していた当時からなされていた。社員教育等の用途に使いつつ、退役後も「由緒ある機械でスクラップするのも申し訳ないですから保存していて大和ミュージアムへの寄付の協議を進めていたところでした」と話した。CFは9月30日まで募集予定で、15299機の移設作業はその後に始まる計画である。