「精油などを分解する代謝の能力がなく、肝不全になる可能性も」
「ハッカ油は、メントールという成分が精油の中に溶けています。そのメントールか精油の影響で、一般的に、ネコなどによくないと言われています。ネコなどは、精油を代謝する機能がないと言われていて、体外に排出して無害化できないのかもしれないですね。しかし、ネコなどに影響があったという実例は、こちらに寄せられていません。人への使用を想定していますので、動物についての情報が不足しており、科学的な根拠が明確になっていないのが現状です」
ネコなどペットへの影響について、猫の病院シュシュ(東京都江戸川区)の獣医、長濱理生子さんは8月18日、取材にこう話した。
「量にもよりますが、ネコは、ハッカを原料としているものはダメですね。精油ほどではありませんが、メントールもダメだと言われています。人と違って、内臓でこれらの物質を分解する代謝の能力を持っていません。分解できないと、ハッカ中毒を起こして、肝臓が悪くなると言われており、肝不全になる可能性もあります。臭いもしますので、呼吸不全も2次的に起こりうるでしょう」
ハッカ油を使ったマスクでネコなどと触れ合うことについては、長濱さんはこう指摘する。
「おとなしいネコですと、マスクをなめたりしますので、万全を考えるとこうしたマスクはあまりよくないと思います。ハッカ油を飲ませたり、なめたりするとネコの体に残ってしまいます。だいたいのケースは、吐いたりするのですが、最悪死ぬこともあると思います。うちでは、ハッカ油が原因のケースは聞いていませんが、アロマなどの香りで体調を崩したネコの診察はありましたね」
(J-CASTニュース編集部 野口博之)