米大リーグ・ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平選手が2021年8月18日(現地時間17日)デトロイト・タイガース戦に出場した際、現地解説者がアジア人差別と受け取れる発言をして批判が噴出し、試合中に謝罪した。
「特にアジア人コミュニティーの方々を傷つけてしまったなら、真摯に謝罪します」
問題の発言をしたのは、タイガースの地元テレビ局「バリースポーツ・デトロイト」で解説を務めるジャック・モリス氏だ。2-2の同点で迎えた6回表、2アウト2塁で大谷選手に打席が回ってきた。
実況アナウンサーから「大谷に対してどのように投げるか」と問われたモリス氏は、「VERY VERY CAREFUL.(とてもとても慎重に)」と答えた。この話し方がアジア人特有の発音を真似たものだったとして、「アジア人に対する差別ではないか」との声が噴出。インターネット上で炎上騒ぎになっていた。
これを受け、9回の大谷選手の打席でモリス氏は、「私の発言で誰か、特にアジア人コミュニティーの方々を傷つけてしまったなら、真摯に謝罪します」などとお詫びしている。「不快にさせる意図はなかった」という。
こうした一連の発言は、米国の各メディアが報じた。モリス氏が解説を務めるバリースポーツ・デトロイトは「モリス氏は自身の発言について公に向け後悔した」と報道。USAトゥデイは「デトロイト・タイガースの解説者ジャック・モリス氏が大谷翔平についての人種差別的コメントを謝罪」との見出しを打った。ニューズウィークも、モリス氏の発言について「多くの人の怒りをかき立てた」とした。
一方、モリス氏の謝罪コメントに対し、インターネット上では厳しい見方をするMLBファンも少なくないようだ。
「A sincere apology takes responsibility for what one has done, recognizes the harm, and includes a resolution not to repeat the offending behaviour. The best player in all of baseball deserves a lot better than this.(誠実な謝罪とは、自分のしたことに責任を持ち、被害を認識し、問題のある行動を繰り返さないという決意を含むものだ。野球界最高の選手には、これ以上の謝罪をするに値するはずだ)」
「That's not an apology.(これは謝罪ではない)」
「"Its been brought to my attention....sorry if I offended" really isnt an apology(『注意すべきことだったと気づきました...傷つけてしまったなら謝罪します』というのは、謝罪になっていないと思うえ」
Jack Morris apologies before Shohei Otani's at-bat in the ninth inning. pic.twitter.com/WdCjfyfSvX
— Spencer Wheelock (@SpencerWheelock) August 18, 2021