お盆の日本列島を襲った大雨。岡山県総社市では2021年8月14日、市内を流れる高梁川の水位上昇や土砂災害発生の危険を受け、各地に避難所が開設された。
そこで立ち上がったのが、大手パンメーカーの山崎製パン(本社:東京都千代田区)。総社市内にある岡山工場から、同日中に菓子パンが避難者の元へと届けられた。迅速な対応に、総社市長は「何という会社なのでしょう。本当に感謝しかありません」と思いを伝えている。
「リアルアンパンマン」と評する声も
8月11日以降、前線の停滞を受け、西日本を中心に大雨が降り続いている。河川の氾濫や土石流が発生するなど被害が生じた自治体もあり、18日昼現在、全国18市町村で国の災害救助法が適用されている。
総社市も、今回の大雨による影響を受けた自治体の一つだ。14日に各地で避難指示を発令。市内9か所に避難所が開設された。
8月14日昼、総社市の片岡聡一市長は、市内北部にある昭和地区の避難所の様子について、写真付きのツイートを投稿する。写真に映っていたのは、何段にも積み重ねられた配送カートと、大量の菓子パンだった。
「昭和地区の避難所に早速、山崎製パン様からそっと差し入れが届きました。何という会社なのでしょう。本当に感謝しかありません」
投稿は4万5000を超えるリツイート、15万を超える「いいね」を集めるなど話題に。「凄い!」「本当に素晴らしい」「さすが世界のヤマザキ」と山崎製パンの対応に称賛の声が集まった。困った人のもとにすぐ駆けつけ、パン(顔)を食べさせるという意味からか「リアルアンパンマン」と評する声もあった。
J-CASTニュースは8月16日と17日に、山崎製パンと総社市に配送の経緯を聞いた。
双方の話をまとめると、総社市内に避難指示が出された14日、山崎製パンは市内にある岡山工場から、1400個の菓子パンを市役所と消防署に配送。パンは総社市からの依頼を受けて送ったものだった。その後、市は前述の昭和地区など、各避難所に分配。避難した371人の市民の元へ、パンが渡った。