広告の事前チェックにも限界
ゲームの開発を手掛けたグッドラックスリー(福岡市)の担当者は17日、J-CASTニュースの取材に「非常に申し訳ない思いです」と陳謝しつつ、「意図して流しているわけではございません」と釈明した。
同社によれば、広告は複数の広告配信会社を通じて出稿しており、基本的には関与していないという。
「モルカーの世界観を大事にしたい」との思いから健全な広告のみ表示したいものの、「日々、何百案件もある広告を事前にすべてチェックするのは現実的に難しい」と対策の難しさを明かす。
ギャンブルやアダルトなどセンシティブな分野は事前に拒否しているものの、より細かい設定はできないという。
「『ゲーム』のカテゴリーの中に、例えば『残虐』や『アダルト』などの小カテゴリーがあれば事前にブロックできますが、残念ながらその粒度でのフィルタリングができないのです」「それぞれの広告配信会社さんの判断基準も異なっていて...例えば企業Aであれば不適切だとはじいてくれても、企業Bでは問題ないとみなされて、間を抜けてしまう」
ゲームのカテゴリーであれば、健全な広告が大半を占めており、「ゲーム単位」でのブロックは収益を大きく圧迫してしまう。配信後に不適切な広告を見つけた場合、クリエイティブに加え広告主単位でも停止措置できるが、複数の法人名義を使い回されるケースもあるという。
「なにより利用者の端末によって趣味・嗜好が違うので、私たちが持つ検証用の端末だけではすべての広告をチェックしきれない面があります」(担当者)
ネット広告では、ユーザーの趣味・嗜好に合わせて配信する「ターゲティング(追跡)」という手法が広く使われている。ネットの行動履歴や位置情報、年齢などのデータを基にしており、掲載側がすべての広告を把握するのは困難というわけだ。
「いまの日本のネット広告の仕組みだと、100パーセント防ぐのは難しく、一部でいたちごっこになってしまう」と複雑化したネット広告の課題にも触れた。