京都府福知山市内の由良川の河川敷で、川の増水中にバーベキューをしてゴミを大量に放置するグループがライブカメラに映り、ツイッターが一時騒然とした。
由良川はここ10年で、数回氾濫しており、川に流されかねなかったとの指摘が出ている。国交省は、「増水中のバーベキューは危険で、ゴミ放置は不法投棄になる」と話している。
大雨警報(土砂災害)が発令され、高齢者を対象に避難指示
大雨だったためか、由良川にかかるアーチ状の音無瀬橋の真下に、男女ら約20人がいた。2021年8月14日の土曜日のことだ。
ワゴン車など5台で河川敷に乗り入れ、小さな子供も混じってバーベキューを楽しんでいる。
福知山市猪崎のこの場所は、由良川と土師川の合流地点近くで、防災情報を発信しようと、国交省が定点のライブカメラを設置している。バーベキューの様子も、そのカメラでリアルタイムに配信された。
男女らはその後、バーベキューの炭やゴミを橋げたの脇に放置し、そのまま車で帰って行った。
市の道路河川課によると、この日は、市内に大雨警報(土砂災害)が発令され、高齢者を対象に避難指示も出ていた。ここ10年は、由良川が増水して、付近で雨水が地表にあふれる内水氾濫が数度も起きている。
このことを知っている地元の人らからは、ライブカメラの中継を見て驚きの声が上がった。「由良川よく氾濫するのに」「なに考えてるの」と書き込まれるとともに、「残していったゴミ取りに来い」と憤りも出ていた。
中には、神奈川県山北町内で1999年8月、玄倉川の中州でキャンプをしていたグループが取り残され、大雨で増水した川に流されて13人が死亡した水難事故を思い出したとの声もあった。
河川敷を管理する国交省の福知山河川国道事務所では、河川管理課の担当者が21年8月16日、「川が増水中にバーベキューをするのは危険で、ゴミの放置は不当放棄になります。このような行為は困りますね」とJ-CASTニュースの取材に答えた。
帰るよう注意すると承諾したが、そのまま現場に留まる
福知山河川国道事務所によると、8月14日の13時50分ごろ、一般の人から「増水している川でバーベキューをしている」と事務所に通報があった。音無瀬橋の下付近は、ここ10年で5回浸水している。この日は、浸水するほどではなかったものの、平常時よりも水位が高かったため、事務所が業務委託をしている人に現地へ向かってもらった。
この人が14時30分ごろに着いて、グループの男女らに、増水する恐れがあるとして、「危ないですから、帰って下さい」と注意した。これに対し、グループは、「分かりました」と答えたため、帰るところは確認しなかった。業務委託した人がその後、ライブカメラで確認したが、グループは、しばらく現場にいたという。グループは、どこから来たのかなど特定はできていないそうだ。
河川敷は、自由使用になっており、バーベキューも特に禁止していない。ただ、現場にゴミ袋5つぐらいと網や炭などが放置されており、グループが捨てたものか分からなかったものの、これは不法投棄に当たるとした。
16日朝に現地に確認しに行くと、ライブカメラに映っていた橋げたの脇にこれらのゴミが残されていた。
放置した人に持ち帰ってもらうのが原則だが、そのままにしてはおけないため、タイミングを見て撤去するという。不法投棄については、警察にまだ連絡しておらず、今後についても決めていないとしている。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)