日韓関係は「手を出せば出すほど問題がさらに大きくなる、やっかいなものの塊」
8月16日の韓国各紙の社説では、文氏が演説で新たな提案をしなかったことと、菅義偉首相が全国戦没者追悼式の式辞で、安倍晋三前首相の式辞を踏襲する形で、アジア各国への加害責任に言及せず、「積極的平和主義」の文言を使ったことを並列して論じた社が多かった。
東亜日報は、両者のスピーチが「お互いの期待を完全に折りたたんだような雰囲気」だとして、もはや手がつけられないレベルにこじれたことを嘆いた。
「韓日関係はもはや、手を出せば出すほど問題がさらに大きくなる、やっかいなものの塊になってしまったようだ。文氏も菅氏も、迫る選挙と国内政治の論理に埋没したまま、手を引いたようだ」
さらに「両首脳に残された時間は多くない」として、「実質的外交」を再スタートさせるように求めた。
左派のハンギョレ新聞は、文氏の演説で新たな提案がなかった原因を
「複雑に絡み合った韓日関係の膠着状態を任期中に解くのは実質的に難しいと判断したためとみられる」
と指摘し、日本側の式辞には「失望させられた」。このままの態度を続ければ「日本はもはや未来指向的な韓日関係を言う資格がない」と非難した。