気象庁「サイトダウン」の背景 想定の甘さ?予算不足?再発防止急務

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「堂々と気象庁予算の増額を要求すべき」

   実際にどれほどのPVがあったのか。気象庁情報基盤部情報政策課は16日、J-CASTニュースの取材に、現在把握を進めているとし、「過去にないアクセスを見込んでいる」と答えた。

   同庁では、アクセス数が急上昇した2019年10月の台風19号時を目安(セキュリティーの観点から実数は非公表)に、負荷に耐えうる設計にしていたという。「コンテンツデリバリーネットワーク」(CDN)と呼ばれる負荷分散サービスを導入し、システムの障害対策を講じていた。

   今回の事象に、SNSでは「災害時こそ閲覧できないと困る」と再発防止を望む声が少なくない。気象予報士で民間気象会社ウェザーマップ会長の森田正光氏は「このさい、堂々と気象庁予算の増額を要求すべきだと思います」とツイッターで提言し、背景に予算不足があると暗に指摘した。

   気象庁の2021年度予算は514億円。2000年度からは約256億円減った。国民1人あたり約400円で、皮肉を込めて「コーヒー予算」とも呼ばれる。

   2020年9月には、サイト上で広告枠の販売を始めた。中央省庁では異例ともいえる取り組みで、運営経費に充てる狙いだ。しかし、不適切な広告が相次いで見つかり、ユーザーにあわせて自動表示される「運用型広告」から、事前審査のうえで掲載できる「純広告」への切り替えを迫られた。約2億4000万円の広告収入を見込んでいたが800万に激減した。

   気象庁の担当者は「令和元年東日本台風(台風19号)時にアクセスが多かったという実績に基づいて、必要な性能、予算を確保できたため、予算不足ではないと認識しています」との見解を示す。広告収入減少の影響についても「特にないかと思います」と否定した。

   再発防止策については「調査結果によって必要な措置を講じる意向です。アクセス状況の解析を進め、根本的な原因に対処していきます」と話す。

(J-CASTニュース編集部 谷本陵)

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