メンタリストのDaiGoさんは2021年8月14日、自身の社会的弱者に対する差別的発言について、YouTubeでの配信で「人としてあってはいけない行為だった」と謝罪した。
動画では涙ぐむ一幕もあったDaiGoさん。しかし、一部ツイッターユーザーの間では、DaiGoさんが過去に「泣き落としテクニック」に言及した際のツイートが蒸し返されている。
支援団体が緊急声明、スポンサーはCM起用見合わせ
「ホームレスの命はどうでもいい」
「僕は生活保護の人たちにお金を払うために税金を納めてるんじゃない」
DaiGoさんが7日のYouTube配信で発言した内容だ。ネット上では、社会的弱者に対する差別的発言だとして、大きな批判を集めた。
批判を受け、DaiGoさんは13日のYouTube配信で「無知が招いた失態」だとして謝罪。DaiGoさんは「僕が猫を保護しているのとまったく同じ感覚で、助けたいと思っている人、そこから抜け出したいと思っている人に対して、さすがにあの言い方はちょっとよくなかった」と自身の発言を振り返った。
これに対し、生活困窮者支援にかかわる4団体は14日に声明を発表。DaiGoさんの7日の発言は「極めて悪質」「人の命に優劣をつけ、価値のない命は抹殺してもかまわない、という『優生思想』そのもの」だとして批判した。さらに13日の謝罪内容についても、「権利としての生活保護制度があることについて、根本的な理解を欠いている」と批判。「反省と謝罪は単なるポーズの域を出ていない」と指摘した。
14日にはDaiGoさんがCM出演している「霧島天然水 のむシリカ」が、DaiGoさんのCM起用を見合わせると発表した。
DaiGoさんは14日に「昨日の謝罪を撤回いたします【改めて謝罪】」と題したYouTube配信を実施。黒いスーツにネクタイ姿のDaiGoさんは「大変ひどいことをした。誰も人の生きる意味を奪っていいということはない」「差別的であり、ヘイトスピーチであり、人としてあってはいけない行為だった」と反省の弁を何度も口にし、再度謝罪した。
「もし母が生きていたら、僕が今こういう状況になっていることをどう思うんだろうと考えると...」と涙ぐむ一幕もあった。動画で得た収益は、全て慈善団体に寄付するという。
「譲歩を促す最終手段、それは泣き落とし」
2度の謝罪の末、DaiGoさんが見せた涙。その一方で、DaiGoさんが過去に投稿した「泣き落としテクニック」に関する複数のツイートが、一部ユーザーの間で蒸し返されている。
例えば、12年9月17日に投稿したツイートだ。
「譲歩を促す最終手段、それは泣き落とし。相手の心に罪悪感を生み、やがて譲歩を引き出せる。ポイントは相手の予想を上回るように、少しオーバーに泣くこと」
13年1月20日には、こんなツイートも投稿していた。
「相手に芽生えた思い出の心が、罪悪感に変わるまで落ち込むことが、泣き落としの秘訣」
ツイートの投稿当時は、書籍を多数出版するなど、人の心を操る「メンタリスト」として世間から注目を集め始めていた時期。ツイッター上では、「これを実践しただけなの?」「もう何を言っても信用できんわ」などと皮肉るような声も聞かれている。一方で「大事なのはこれから」「努力するしかない」と、謝罪を受けて今後の反省を期待する声も出ている。