井上尚弥と戦うのはどっちだ カシメロVSリゴンドー戦、専門家が占う勝負の行方「徐々に差が開く」

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   ボクシングのWBO世界バンタム級タイトル戦が2021年8月14日(日本時間15日)、米カリフォルニア州カーソンで行われる。

   WBO同級王者ジョンリル・カシメロ(31)=フィリピン=にWBA同級レギュラー王者ギジェルモ・リゴンドー(40)=キューバ=が挑む。

  • 絶対王者・井上尚弥(編集部撮影)
    絶対王者・井上尚弥(編集部撮影)
  • 絶対王者・井上尚弥(編集部撮影)

金平会長「序盤はペースの取り合いになるかもしれないが...」

   このタイトル戦の勝者は、世界4団体統一を目指すWBA、IBF同級王者・井上尚弥(28)=大橋=の標的となり世界的に注目を集めている。最後に手を上げるのはパワーのカシメロか、熟練のリゴンドーか。

   J-CASTニュース編集部は、協栄ジムの金平桂一郎会長(55)に勝負の行方を占ってもらった。

   金平会長の予想はズバリ「リゴンドーの後半KO勝ち」だ。金平会長は試合の展開を次のように予測した。

「今回の試合、リゴンドー、カシメロともに期するものが大きいと思います。とくにリゴンドーは全開でいくと思います。全開でいった時のリゴンドーの強さがあって、序盤はある程度ペースの取り合いになるかもしれないが、徐々に差が開いていって結局、10ラウンドあたりにカシメロを仕留めると思います」(金平会長)

金平会長「試合では防御スキルの差が出る」

   リゴンドーは40歳のベテランで、00年シドニー五輪、04年アテネ五輪と連覇。プロではスーパーバンタム級で王座を獲得し、その後WBOを統一した。アマ、プロ通じて世界のトップに立ったリゴンドーは、井上と対戦するために階級を1つ下げてバンタム級に参戦してきた。

   金平会長はこのタイトル戦は、リゴンドーにとって井上戦をアピールする重要な場になると指摘する。

「リゴンドーは良い内容で勝ちたいと思っているはず。ここでアピールする試合をしないと、ボクシングキャリアで最後のチャンスかもしれない井上戦が遠くなってしまう。リゴンドーは自分から倒しにいく選手ではないので、KOはなかなかイメージしづらいかもしれないが、調子がいい時のリゴンドーは相手を倒す力は十分ある」(金平会長)

   また、金平会長はリゴンドーの最大の強みは「ディフェンス能力」にあるとし、試合ではカシメロとのスキルの差が出るだろうと予測する。

カシメロが勝利するならば1度のチャンスを...

「リゴンドーとカシメロの差はディフェンススキルにある。カシメロのボクシングは全体的に粗く、特にディフェンス面が粗いと感じます。リゴンドーも油断して一発をもらえば危ないが、細心の注意を払いながら最終的にはスキルの差が大きく出るでしょう。カシメロはディフェンス面での対応がなかなか出来ないと思います」(金平会長)

   カシメロは30勝(21KO)4敗のレコードを持つ強打者で、左右のパンチに絶対的な自信を持っている。19年のWBOバンタム級王座統一戦では、正規王者ゾラニ・テテ(南アフリカ)を3回TKOで破り、20年9月の防衛戦では3回TKO勝利を飾り波に乗っている。

   金平会長は「カシメロが勝つのならば、1度のチャンスを確実にものにしなければならない。いいパンチが入りチャンスになったら一気に仕留めなければ、次のラウンドでリゴンドーは復活するでしょう。チャンスで一気にいければ良いが、カシメロのスキルを考えると難しいと考えます」と語った。

リゴンドー唯一の不安材料は「加齢からくる衰えともろさ」

   そしてカシメロの攻撃能力に関して「カシメロは攻撃面でも井上選手が持っているような精密なオフェンスではない。ある程度ワンパターンな攻撃でパワーにものをいわせるという。それが通じる選手ならよいが、リゴンドーには通じないでしょう。特にスピードがあるわけではないですし」と持論を展開した。

   金平会長はリゴンドーの唯一の不安材料は「加齢からくる衰えともろさ」とするも、「リゴンドーがコンディションミスすることはないと思う。いいパンチを受けてトラブルが起こったとしても無難に判定勝ちするのではと思います」と予測する。

   WBO王座はバンタム級最強の井上が狙う王座でもあり、今タイトル戦の勝者は井上戦へ大きく近付く。「モンスター」の標的となるのは、カシメロか、それともリゴンドーか。注目の一戦は14日にゴングが鳴らされる。

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