国内外から批判が多かった東京五輪の開催をめぐり、外交専門のオンライン誌に「日本は正しかった」とする寄稿が掲載された。
五輪開催は「トンネルの終わりに光が見え始めている世界にとって必要な強壮剤」で、「コロナ後のニューノーマルが視野に入っていることに自信を与えてくれる」などと論じており、コロナ後の社会への道筋を示したことについて評価する内容だ。
「五輪継続の判断は勇気あるものだった」
寄稿は、米ハドソン研究所上級研究員(シニアフェロー)のジョン・リー氏によるもの。16年から18年にかけて、豪外相の上級アドバイザーを務めた。8月5日付けで、インド太平洋地域の外交・安全保障のオンライン専門誌「ザ・ティプロマット」のウェブサイトに「東京五輪を開催した日本は正しかった」と題して掲載された。
寄稿では、東京五輪の開会式までは「多くの人が五輪開催を無責任で危険なものだと酷評していた」が、閉会式が近づくと否定的な意見が減少したとして、五輪開催の意義について
「多くの人が考えを改めたことだろう。五輪継続の判断は勇気あるものだった。また、賢明な判断であり、このパニックの中で、トンネルの出口に光が見え始めている世界にとって必要な強壮剤でもあった」
と説いた。
寄稿で強調されたのが、オーストラリアでも行われている厳しいロックダウン(都市封鎖)との関係だ。いわく、「五輪を見ることが、オーストラリア人にとって、外の世界や、かつての生活をより身近に感じることができる方法のひとつであることは明らかだ」。五輪で多くの選手が一堂に会して競う様子を見ることで、
「パンデミック以前の世界がどんなものであったかを思い出せるし、新型コロナとの共生を学んだ世界はどのようになりそうかについてのヒントにもなる」
とした。